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『左手に気をつけろ』『だれかが歌ってる』@シネ・ヌーヴォ

求めた人とすれ違ったその先には、新しい人との出会いが待っている。胸を締め付ける切なさも、別の希望に繋がっていく。そうやって世界はできている。そうやって街は息づいている。世界の真実のかけらのようなものがチラチラと顔を覗かせる素敵な映画。
コロナ前後で、街や世界は確かに変わってしまったけれど、それでもそこにはまた新しい発見と輝きがあるはず。

道を歩く傘の鮮烈な青、ちょっと気になるくらい大きいスイングドアの音など、色や音に敏感な映画でもある。『誰かが歌ってる』に登場するりんごが青いのにも意味があるのか。
『右側に気をつけろ』ならぬ『左手に気をつけろ』。ゴダールの映画を楽しむような心づもりで観ると、スラップスティック的なドタバタぶりもが、アクション映画へのオマージュにさえ見えてくる不思議な感覚。

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