【短編小説】 コーヒーを、飲み終わる時に
時間が巻き戻るんだ。
彼は目を見開きながら僕だけに聞こえる声で訴える。彼はたまに訳のわからないことを口走る。典型的な変わったやつだ。普通の人からしたら付き合いにくい奴だろう。僕は彼のそんなところが気に入っていたりする。
どうして?こうして僕らはふつうにすごしてるじゃないか。
僕らは学校帰りに夕暮れ時の駅前にあるカフェで一人百円のコーヒーだけで一時間たむろしていた。特に話すこともないのに毎日百円で何時間も居座っている。田舎のカフェはこういった客にも寛容だ。
よく見