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京都サンガF.C.2021シーズンレビュー①GK、DF編

皆さんこんにちは、Ryu-Yです。

早いもので2021シーズンJ2リーグが早くも終わってしまいました。

長いような短いようなシーズンだったなあと思うわけですが、我らが京都サンガF.C.は2位となり、J1昇格(復帰)を果たしました!

J1の舞台で戦うのは12年ぶりだそうで、2016シーズンより応援している当方としては、J1にいた時代は話に聞く程度で全く未知の世界。レアンドロ・ダミアンにゴリっとヘディングシュート決められたりとか、前田大然にぶち抜かれたりとか、アンドレス・イニエスタの技術に翻弄される未来が見えなくもないですが、来季のことを考える前にまずは今季を振り返りましょう。

シーズンレビューは3部作でお送りする予定で、

①GK、DF編

②MF、FW編

③チーム総括編

としたいと思います。

今回は①GK、DF編です。

データはフットボールラボを参照しています。

※シーズン途中で移籍していった選手に関しては書いていません。

〇GK

#1 福島 春樹

(出場機会無し)

今季浦和から期限付き移籍で加入した福島。曺監督自身が声を掛けてチームに加入したという記事もあったが、シーズンが始まってみるとリーグ戦、天皇杯共に出場はゼロ、ベンチ入りが天皇杯で一度あっただけとチャンスを掴むことは出来なかった。先日浦和から契約満了のリリースもあった中で去就が注目されるが、サンガからも退団するのではと見ている。(おそらくGKは補強があると思われるので。)大卒6年目でまだそこまでコンスタントに出場機会を得たことが無いのは選手キャリアにとっても厳しいし、試合に出られるクラブを探すことになるだろうか。

#21 清水 圭介

(リーグ戦:先発9試合/810分、天皇杯:先発3試合)

今季スタメンで出たのは若原が奥さんの出産立会い時及び負傷した35節以降。2番手GKであったが、スタメンで出た時は一定の存在感を示した。シュートストップ技術が高いのか低いのか分かりかねるのが清水の面白いところで、それ止めるんか!?というようなビッグセーブをすることもあれば、割とイージーなシュートを弾いて押し込まれたり、決められたりすることも。基本は自分で何とかすることは出来るけど、味方を動かして相手のコースを制限する、とかまでは突き詰められてないのかなあ、と。2019シーズン辺りから取り組んでいた足元の技術向上が生かされ、決して得意ではないながらもCBからのバックパスや両SBへのフィードはそつなくこなしていた。なんだかんだ在籍7年目と長くなってきてチームにすっかり溶け込んでいるし、来季もいてほしい存在。

#26 太田 岳志

(出場機会無し)

練習やウォーミングアップではファインセーブを連発し、中距離のフィードも得意と試合で見てみたい選手だったが、結局出場機会はゼロ。天皇杯や若原負傷後のリーグ戦でベンチを温めるのみだった。来季はJ1でルヴァンカップもある為GKは引き続き4名体制でいくと思われるが、福島同様去就は微妙である。

#34 若原 智哉

(リーグ戦:先発33試合/2970分)

開幕から主力でほぼ試合に出続けていた中、10月下旬のトレーニング中に左肘関節脱臼という痛恨の負傷。スタジアムで見かけた時に包帯で固定している姿は痛々しかった。パパになってからはPKストップでチームを勝たせる勝負強さを発揮するなど一皮むけたな、と思わせてくれるプレーが続いてただけに負傷は非常に残念だった。アカデミー卒の分だけ+αの期待は背負っていることもあり、当然来季はJ1の舞台で勝負したいと思っているだろうし、クラブとしても手放すことは無いだろう。大迫、谷といった同世代GKが活躍している舞台で、自身の存在感を高めることは出来るか。正直なところGKは補強ポジションだとクラブは認識しているだろうし、J1経験豊富な選手を連れてくると予想しているので、若原にとっては越えなければいけない壁が出てくる可能性は高い。頑張れ!


〇DF

#2 飯田 貴敬

(リーグ戦:先発35試合/途中出場1試合/3059分)1G5A

シーズンを通じて右サイドバックの主力として、持ち前の縦への推進力から精度の高いクロスに加えドリブルでスルっと内側へ切り込んでいくプレーで、幾度となく相手に脅威を与え続けた。ドリブルの質が荻原と飯田で全く違うのが見ていて面白い(荻原は一度止まってドンッって感じで、飯田はトーントーンスルッっという感じ。伝わるかな。。。)。特に成長した点はマイボールを奪われた後の守備対応で、昨季は試合によってプレーのムラがあり良い時は良いけど悪い時は全く守備戻らんやん!だったが、精神面でも今季は改善が見られプレスバックもサボらずやっていたし安心して右サイドを任せることが出来た。連携面でも白井が右サイドにいるときよりも中盤やWGの選手とのパスワークがスムーズで、独力で相手をはがす能力も持ちつつ、ユニットでの崩しも高いクオリティを発揮した。とはいえ昨季同様イエローカード結構もらってるイメージがあって調べたところ警告6は昨年の5より多い数字だった。飯田の場合攻撃時に高い位置をとっているだけにひっくり返された時の被カウンター時、相手を止める術として後ろから相手を止めるのがほとんどで致し方無いか。荻原や川崎は何とか相手に追い付いてボールにスライディングしようと試みるが、飯田は端から諦めて相手を引っ張っちゃう。特に悪びれた様子もなく当たり前にやるところに飯田のやんちゃ感を感じる。(相手からしたらめちゃイラっとするやつ。)来季もいてくれるでしょう。

#5 黒木 恭平

(リーグ戦: 先発1試合/途中出場5試合/151分、天皇杯:先発3試合)1A

途中から出た試合は基本リード時や同点での投入で、試合の流れを変えるというよりはクローズさせる役割を担っていた。左SBのポジションは非常に負荷の大きいポジションなので、安心して任させられる二番手がいるのはチームとして心強い。ただ、今のチームとしてのカラーと本人の強みのミスマッチ感は強く、契約満了は納得出来る。監督代わってどうかだけど東京Vとか狙いそう。

#6 本多 勇喜

(リーグ戦:先発8試合/途中出場12試合/910分、天皇杯:先発2試合)

開幕当初は左CBとしてスタメンを張っていたが、第6節千葉戦で負傷すると、その試合で麻田が良い活躍をしたこともありそのままスタメンの座を奪われる形になった。その後は左SBのバックアッパーがメインで途中出場で使われていたものの、シーズン終盤は黒木や長井の後塵を拝することになった。選手としての能力は申し分ないが今季は細かい怪我が多く、それが徐々に序列を下げる原因になってしまった。SB、CB共に出来る左利きということで貴重な選手なので是非とも残ってほしい。

#15 長井 一真

(リーグ戦:先発2試合/途中出場9試合/307分、天皇杯:先発3試合)

シーズンの春先と終盤戦にかけて主に途中出場で出番を確保した。CBだけでなく両SBも出来る器用さがあり、両足の高い精度のフィードが魅力的な選手である。見た目はゴリゴリ系なのかな?と思いきや、実は足元の技術が繊細で見た目とプレーのギャップがある。基本はCBで勝負すると思われるので、まずは対人強度の面で向上させないとJ1では厳しいか。15番のチャレンジはまだまだ険しい。

#17 荻原 拓也

(リーグ戦:先発37試合/途中出場2試合/2767分、天皇杯:途中出場1試合)2G1A

(新潟経由の)浦和から期限付き移籍組の一人で、今季最も飛躍した選手にも挙げられる荻原。特にボールを持ってからの敵陣での仕掛けはもはやSBの域を超えさながらウインガーのようで、タッチライン際をぶち抜くことも出来るし、相手2人の間をドリブルで突破することも出来るし、逆サイドにボールがある時はピッチ中央に絞ってボールが来たら果敢にゴールを狙うことも出来る。ウタカとのコンビネーションも抜群で、シーズン中盤以降は大外からひとつ内側のレーンでボールを受けゴール前へと展開したりピッチ中央での仕事にも果敢に挑戦した。最近のサッカーでは当たり前にやられていることではあるけど、これは飯田も同様だったのでチームの約束事になったぽい。ただ、幾度となく精度の高いクロスやセットプレーを蹴ったわりに1アシストというのは少し物足りないポイントか。ウタカ、宮吉、松田などがクロスにピンポイントに合わせて点を取るタイプじゃないことは一言付け加えておく。自身のミスから失点後の涙、ピッチでどんどん増していく勝負にこだわる姿勢、千葉戦での充実の涙、最終戦でピッチを後にする際の深いお辞儀、ベンチに迎え入れられる時のスタッフ、メンバーとの抱擁。たった一年でここまで喜怒哀楽を経験出来ることってそうそう無いと思うし、それを包み隠さずピッチで全身で表現する彼だからこそ、チームからもサポーターからも愛される選手となったのだろう。リカルド監督の浦和よりもサンガでの役割の方が輝けると個人的には確信しているが、戦術云々よりも彼は感情と熱量で未来を選ぶことを我々サポーターは最もよく知っている。

この2ゴールに彼の特徴と成長が詰まっている。

#19 麻田 将吾

(リーグ戦:先発32試合/途中出場5試合/3005分、天皇杯:途中出場1試合)1A

シーズン開幕当初は本多のサブに回っていたが、彼が負傷して急遽出場した第6節千葉戦で安定感のあるプレーを見せると、そこからはシーズンを通してほぼスタメンで出場。J3讃岐でのレンタル期間含めても、最も長いプレーイングタイムを確保し飛躍したと言えるシーズンとなった。試合に出始めた頃と比べると出番を重ねるにつれ対人守備の強さが格段に増しており、第40節岡山戦での対イ・ヨンジェ、第41節千葉戦での対櫻川ソロモンなど、屈強なCF相手にもロングボールで競り勝ったり、背負われても自由にさせない逞しさを身に付けた。足元の技術はまだ発展途上といったところで、割と長めのグラウンダー縦パスを相手に引っ掛けてカウンター食らう場面は散見された。それでもCBからのパスがサンガの攻撃のスイッチである面もあるので、リスクを恐れずチャレンジすることはチームのプライオリティとしては間違ってはいない。J1でどこまで通用するのか見てみたい選手になった。

#23 ヨルディ・バイス

(リーグ戦:先発40試合/3600分)5G

第41節千葉戦では背中を痛め途中交代も、それまで連戦含めフル稼働したバイス。昨季よりも高いライン設定をした守り方の中でもうまく適応し、すんでのところで止めるブロックや、自陣深い位置では被クロスに対する跳ね返しなど持ち前のフィジカルを存分に発揮した。あとは、やはりバイスと言えばファンダイクばりの正確なロングフィード。バイス→ウタカのホットラインは幾度となく相手DFを苦しめた。麻田の縦パスがリスクだとすると、バイスの場合は自身が持ち上がったりビルドアップが停滞した時に見せるオーバーラップ。3バックの左右CBが前線まで駆け上がるのはたまに見かけるが、4バックで片方のCBが別に追い詰められた場面でもないのに上がっていく様はなかなか見られるものではない。結果論としては得点に結びつくよりはカウンター受けるシーンの方が多かったような気もするし収支マイナス気味なところではある。川崎がバランス取ったりしてチームとしては許容してたようで、その上なんだかんだリーグ最少失点の結果オーライにはなった。

先日発表された契約満了は非常に驚いたが、Jリーグの舞台でまたプレーを見られることを願っている。

バイス砲!(シュートじゃなくて、ゴールパフォーマンスの方)

#28 冨田 康平

(天皇杯:先発1試合)

2019年、2020年よりはチーム戦術にフィットするかと思っていたが、試合出場は天皇杯のみ。黒木よりも序列は完全に下だった。10月に利き足である左足靱帯損傷の大けがを負い、今はリハビリ中と思われる。正直契約満了でもおかしくないが、来季開幕には間に合わないことも考えられる為、無慈悲に放出するとも考えづらい。とはいえ大怪我明けの選手をレンタルしたいクラブはそうないだろうし、かと言ってチームに残っても出番を得るのはかなり厳しいと思われ、本人にとってもクラブにとっても難しい決断を迫られるオフになりそう。

#41 白井 康介

(リーグ戦:先発10試合/途中出場21試合/1170分、天皇杯:先発3試合)3A

今季のサンガはSB、WGのサイドの運動量がハンパじゃないので、白井は左右どこでも出来ますと言わんばかりに消耗の激しいポジションを支え続けた。荻原、飯田にとっても白井がいてくれたことで試合開始からフルスロットルで戦える要因にも繋がった。自陣での被セットプレーからボールを保持すると一人で何十mも独走してシュートまで放ったり、相手からしたら後半からこれだけ走れる選手が出てくるというのは脅威でしかなかっただろう。とはいえ、その強みは途中から出てくるから相手が嫌だっただけでスタメンだとそこまで相手の脅威になれなかった。その理由としては典型的なイノシシタイプで縦に行くしか強みを生かせず味方とトライアングルを作って相手守備を崩そうとかそういうシーンがほぼ無かったことが大きい。サイドのスペシャリストとして選手の幅を広げたいとサンガにやってきたものの、結局スタメンは奪えず札幌時代とやっていることが似たようなものになってしまい、白井本人が今シーズンをどう総括しているのか。去就はその自己評価次第だと思う。

#46 森脇 良太

(リーグ戦:途中出場6試合/23分、天皇杯:先発1試合)

シーズン前半は多少メンバー入りに絡んで、試合を〆たりベンチから鼓舞する姿があったが、夏以降はベンチ入りすら全く無くなった。もっぱらの役割は練習でも人一倍声を出してチームを盛り上げ、士気を高めること。こう書くと何となくチープに聞こえるけど、森脇のような選手がチームに一人いるだけで相当ポジティブな雰囲気になっていることがサンガTwitterなどでも容易に感じ取ることが出来る。最終戦で社長、会長、府知事のあいさつの後にあれだけマイクパフォーマンス、「紫の勇者たち」を観客と一緒にタオルマフラーを掲げる、それを一切の恥ずかしさを見せず全力でやり切れる選手が果たしてどれだけいるか。ましてや直前に契約満了を発表した選手である。ムードメーカーとか盛り上げ役とかの言葉で彼を表現するのは相応しくない。「森脇良太は間違いなくサンガの戦力だった」これが彼の振舞いに対する最大限のリスペクトである。


次回はMF、FW編です。

ではまた。

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