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京都サンガF.C.シーズンプレビュー2023-GK、DF編-

皆さんこんにちは、Ryu-Yです。

2022シーズン振り返りをサボっていたら、気付いたら2023シーズンの開幕直前になってしまいました。今季の展望を何も書かずにシーズンインするのだけは避けたいので、急いでキーボードを叩いています。
GKからFWまでポジション毎に昨季の振り返りをしつつ、各選手に今季期待することなど書いていきたいと思います。
本記事はGK、DF編です。


予想布陣
※右WGの平賀が抜けています。

GK
2022シーズン
上福元 直人 リーグ戦先発31試合 out→ 川崎フロンターレ(完全移籍)
若原 智哉 リーグ戦先発3試合

2023シーズン
21ヴァルネル ハーン in←IFKヨーテボリより(完全移籍)
1若原 智哉
32マイケルウッド
26太田 岳志

GKは守護神上福元が完全移籍で川崎へ移籍することとなった。ビッグセーブでチームを救ったシーンは数知れず、特に残留争いに巻き込まれた後半戦の働きは特筆すべきであり、彼のおかげでJ1に残れたと言っても過言ではない。試合の度にTwitterのタイムラインには「神福元」の文字が踊った。それだけに彼の移籍はチームにとって大きな痛手であるが、ベテランの域に達した選手が川崎のようなビッグクラブからのオファーを受けることは、サンガでの活躍が認められたことでもあるし嬉しい気持ちもある。チョンソンリョンとの守護神争いを純粋に応援したい。

 さて、個人的に短年契約と想定していた上福元の契約だが、複数年であったとの報道もあり、ある程度の移籍金がクラブに舞い込んだことが予想される。その移籍金を活用し獲得したのがヴァルネルハーンである。YouTubeでプレー動画を観た印象では、シュートストップ含めた身のこなし、キックの質共に高いクオリティを有していると感じた。また特に印象的だったのがパントキックの飛距離である。ハーフウェーラインを軽々越えてファイナルサード辺りまで蹴飛ばしている場面を見た時は流石に驚いた。相手のコーナーキックをキャッチしてからのカウンターには非常に有効だと思う一方で、そのロングボールを収めて相手ゴールに迫ることの出来る快速ウインガーが不足しているのは痛恨である。(曺政権においてずっとだが。チームのスタイルの問題とも言える。)強いて言えば豊川や木村になるだろうか。パトリックや一美に預けるのも有効であろう。チームに合流したのがシーズン開幕の1週間前ということもありいきなりリーグ戦で起用するかは不確定ではあるものの、彼がチームの砦となって活躍することはサンガがJ1で生き残るためにもマストとなってくる。
 
若原に関しては出場機会を求めての期限付き移籍を覚悟していたが、結果的に残留しサンガのゴールマウスを守るチャレンジに再び挑むこととなった。シュートストップに関してはデビュー当時から彼の強みとして発揮出来ているが、その彼の強みの更に上をいったのが上福元であったため、結果的に昨年は出場機会を減らした。2021年終盤に負傷した影響で昨年はキャンプから出遅れたが、今年は始動から順調にコンディションを上げている模様で、リベンジに燃えていることだろう。身体を張ってシュートをストップしてくれるDF陣がサンガには数多く在籍しているので、コーチングによって彼らを動かしながらゴールを守ることが出来れば、もう一つ上のクオリティを有するGKとなれるのではないだろうか。
 
ウッドに関しては昨シーズンはルヴァンカップや天皇杯が主戦場であった。長い手足を生かしたシュートストップは魅力的であるが、その点に関しては他のライバルプレーヤーも高水準に持ち合わせているため、逆に自身の身体の近くのボール処理の荒さが目立ってしまっていた。ハーンが加入したことでGKに外国籍選手2枚を投じていることもあり、彼に対するプレッシャーは今季更に強くなることだろう。ハーンのコンディション次第な面もあるが、正直ウッドがリーグ戦のゴールマウスを守っていることは現時点では想定しづらい。昨季は若原よりも出場機会を得ていたが、今季は若原のコンディションも上がっていることから2番手GKがどちらになるかは微妙なところ。今季もルヴァンカップで出番を得ることができれば、それを足がかりにリーグ戦での出番を伺いたい。
 
太田は第4GKの立ち位置を受け入れながらも、練習でも一切手を抜かず懸命なプレーをしていると聞く。実際曺監督からの評価も高いようで、昨季はルヴァンカップで出場機会を得ることも出来た。リザーブとしてウォーミングアップを見ていても精度の高い中距離キックや安定したセービングをしているし、GK陣で質の高い練習が出来ている証拠であろう。フォアザチームを体現する選手として、欠かせない選手であることは間違いない。


左SB(左WB含む)
2022シーズン
荻原 勇亮 リーグ戦先発17試合 out→浦和レッズへ(レンタル復帰)
麻田 将吾 リーグ戦先発6試合
佐藤 響 リーグ戦先発5試合
本多 勇喜 リーグ戦先発2試合 out→ヴィッセル神戸へ(契約満了:完全移籍)
荒木 大吾 リーグ戦先発2試合

2023シーズン
三竿 健斗 in←大分トリニータより(完全移籍)
佐藤 響
植田 悠太 in←京都U-18より(トップ昇格)
飯田 陸斗 2種登録(京都U-18所属)

今季の編成を考える上で最も層が薄いポジションなのが左SBである。ここ2年間このポジションの主力として計算されていた荻原が浦和にレンタルバックされることとなった。元々浦和生まれ浦和育ちで生まれ育ったクラブに強い思い入れのある彼だけに復帰することは既定路線だったと思われる。ただ昨季はサンガ自体が守備の時間に終われることが多く彼の強みを発揮できたとは言い難い。またJ1のプレー強度に想像以上に阻まれたことで、怪我がちでもあった。サンガに対して熱い想いを持っていただけに残ってくれるとサポーター目線としては嬉しいが、ドライにチーム編成を考えた時にはレンタルバックがお互い幸せだろうとも思う。
さて、今季に話を移すと、まずこのポジションの有力候補は三竿である。年齢的にはベテランと言えるが、まだまだ主力で長いプレーイングタイムを期待出来る。大分ではチームの降格によってJ2でプレーしていたが、J1でも十分やっていける選手である。曺監督のやり方を理解しているのも安心材料で、足元の技術を活かして後方からチームを支えるプレーに期待したい。

2番手は右のサイドのポジションを主戦場としている佐藤を挙げたい。利き足が右足なので順足で言うと右サイドとなるのだろうが、右SBに白井と新加入の福田がいることを考えると逆足SBとしての新境地に期待したい。MF登録であることからも分かる通り縦への推進力を生かした攻撃面で特徴のある選手なので、そこでは十分やっていけることは昨季すでに証明済み。あとは守備時に相手との1対1での粘り強さや味方の同サイドWGの選手との連携で守る動きなどで成長が見せられれば、出番を増やすことが出来るだろう。

ユースから昇格の植田は昨季2種登録ながらルヴァンカップなどで出場機会を得た。高校生ながら強気に仕掛ける姿勢は評価出来るもので、対人プレーでも物怖じせずに戦えていた。足元の技術はまだ荒削りな面があるので、周りのお手本を参考にしながら着実に力を付けたい。チャンスのあるポジションでもあるし、カップ戦など試合を通して自信を付ければ大化けもあるかも。

更に新高3年代で新たなサウスポーの飯田が2種登録されている。鳥取との練習試合でもプレーしたと聞いているし、ユース期待の選手である。すぐ一つ上に同ポジションの先輩がいることは彼にとってプラスになるのかマイナスになるのか。壁として立ちはだかるのか、良き先輩として高め合っていくのか。

他にある選択肢として、麻田やイヨハのサイドバック起用も対戦相手によっては選択肢として持っておくべきと考える。昨季の麻田SB起用は選手のコンディション面など致し方無くといったものだったが、例えば昨季開幕戦で麻田の左SB起用が対酒井宏樹対策として有効に作用したように、サイドに対人に強い選手を擁するチームと対戦する際は有効であると思う。あくまで自分たちありきで選手を決める現政権には期待薄なのかもしれないが、相手を分析して強みを消していく戦い方こそがJ1で生き残る道であるし、J1で戦うのが2年目となる今季は現実的な選択もしていって欲しい。


右SB(右WB含む)
2022シーズン
白井 康介 リーグ戦先発28試合
飯田 貴敬 リーグ戦先発3試合
荒木 大吾 リーグ戦先発1試合
長井 一真 リーグ戦先発1試合 out→水戸ホーリーホックへ(完全移籍)
福岡 慎平 リーグ戦先発1試合

2023シーズン
白井 康介
福田 心之助 in←明治大より(新加入)
荒木 大吾
飯田 貴敬

右SBに関しては昨季同様白井の起用が基本となってくるだろう。J2では主に攻撃面で物足りなかったがJ1での戦いとなった時に彼の豊富な運動量がチームに活力をもたらしてくれた。磐田との最終戦のラストプレーで見せた執念のクリアに代表されるように、諦めない気持ちなどメンタル面で相手を上回ることを強く志向する今のチームを象徴する選手である。

白井の牙城を崩す存在として期待したいのが明治大から新加入の福田である。関東大学リーグMVPに選ばれた実力者で、サイドバックとして豊富な運動量に加え足元の技術も確かでビルドアップに参加しながら前進していくことも出来る。私の中で彼のプレーを観たのはインカレの配信のみではあるが、その際には鋭い縦パスを差し込んで相手ゴールに迫るスイッチ役にもなっていた。とてもインテリジェンスを感じる選手で、サンガの他のSBには無い特徴を持っていることからサンガの選手としてどのようなアクセントになるのか楽しみである。

荒木に関しては今季もサイドバックでのポジション争いと予想する。本来は4-3-3の左右のWGが最も適しているポジションだとは思う一方で、ゴールに迫る怖さが足らずドリブルで仕掛ける割には相手にとって脅威になり切れないのが現状で、その推進力を後方から生かす方がチームに貢献できると判断した監督の意向にも納得出来る(本人は納得はしていないかもしれないが受け入れている模様)。左SBでの起用も考えられるが、左足の精度が高く無いので内側のレーンでのプレーだと渋滞を起こす可能性が高いし、前線の選手との連携面でも未だに改善の余地有りなので、単独で思い切ってプレーする右サイドでの争いとなるだろう。

飯田に関しては恐らく移籍のために諸々交渉していたのだろうが結局残留することに。監督が最も嫌うであろう無気力(に見える)プレーを早急に改善しないと出番はなかなか得られないだろう。実力があることは知っているだけに今季はもっとプレーする姿が見たい。


左CB
2022シーズン
麻田 将吾 リーグ戦先発25試合
メンデス リーグ戦先発8試合 out→去就不明(選手登録無し)
本多 勇喜 リーグ戦先発3試合 out→ヴィッセル神戸へ(契約満了:完全移籍)
※右CBとして先発した試合もカウントしている為、全員の合計は34試合にならない。

2023シーズン
麻田 将吾
イヨハ理ヘンリー in←ロアッソ熊本より
喜多 壱也 2種登録(京都U-18所属)

左CBを務める選手で昨季限りで退団したのはメンデスと本多となる。メンデスに関しては開幕スタメンを飾るなど初のJ1で上々のスタートを切れたかと思いきや、試合を重ねるにつれ麻田にポジションを奪われていった。本記事執筆時点で契約に関する情報は一切無いし練習場にも姿を見せてないようで全くの消息不明である。日本でのプレー経験が長い選手だけに契約問題などでプレー出来る時間がなくなっていってしまうのは本当に勿体無い。更にここ最近のサンガの酸いも甘いも経験している本多に関しても契約満了に伴う退団で神戸へ。元々はプレーする度に良い時と悪い時が交互に来るタイプで闘莉王に試合中しばかれていた時は大丈夫か心配になる程だったが、13時代の魔改造を経て大きく成長し、頼れる選手になった。普段はクラブに対する愛着等を発信する方では無いのに、退団時のコメントでサンガで引退するつもりだったと、意外とアツい一面も。神戸でもあの大ジャンプクリアが見られることを期待したい。

今季に関してはJ1でも十分戦える選手であることを証明した麻田が引き続きこのポジションの主役となるだろう。サンガの戦い方の性質上相手FWと1対1でやり合わなければ行けないシーンが多くなったことで必然的に対人強度が上がった。課題としては味方と意図の合わない縦パスを無理につけようとして相手に前向きにボールを奪われてショートカウンターを受けるシーンが何度も見受けられたので、そのビルドアップでの精度は向上してほしい。

新加入のイヨハは熊本とのプレーオフでゴールを決められたことが記憶に新しい。あのゴールからも分かる通り、コーナーキックでのターゲットになれる選手であり怖さを与えられる選手である。前線にも長身選手を多数獲得したので彼だけに頼る必要はないが、セットプレーからの得点増はサンガの課題であるので、その辺りの改善も獲得の意図としてあるように思われる。熊本でのプレーからビルドアップ時のポジショニングやパス精度は高く求められていただろうし、麻田とは違った特徴も見せられるのではないだろうか。

2種登録の喜多は飯田陸と同じく新高3にあたる選手で、既に鳥取との練習試合でトップチームでのプレーは経験済み。麻田という最高のお手本がいる環境で普段からの練習でも多くのことを学んでほしい。ルヴァンカップでの出番はありそう。

右CB
2022シーズン
井上 黎生人 リーグ戦先発18試合
アピアタウィア 久 リーグ戦先発15試合

2023シーズン
井上 黎生人
アピアタウィア 久

昨季に引き続き今季も井上とアピがポジション争いを繰り広げると予想する。昨季まず開幕スタメンを獲得したのはアピの方だった。色々と荒削りで未完成な選手だとは思うものの、広いカバーリングエリアを活かしてピンチの場面を凌いだりして随所に良いプレーを見せていた。ただ、明確な時期は公式発表が無かったので未確定なものの夏場以降に大きな負傷をすることで後半戦のポッチに立つことは無かった。そこで一気に台頭したのが井上である。最初はJ1の強度に後手を踏むシーンもあったが、徐々にそのプレー強度に慣れてくると、自慢の守備力を発揮。自身でも得意と発言している身体を張ったシュートストップで相手のシュートを何度も防いだ。時折ロングフィードで一気に前線を狙ったキックも見せ、まず相手ゴール、前線の選手を見てプレー選択していることが窺える。アピが負傷明けであることを考えるとシーズンスタートは井上で行くことが想定されるが、アピの逆襲にも期待したい。


MF、FW編は開幕戦後になりそうです!しばらくお待ちください!


ではまた。

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