子育ての悩み〜2019夏
およそ1ヶ月前、生後1ヶ月になったばかりの娘が入院した。
その日の朝、娘の急な発熱に妻が気づいた。
顔は青白く、肌は湯気が見えそうなくらい熱い。
新生児の38度超えはすぐに病院とのことで、私は息子を保育園へ預けに、妻はひとまず先に市内の総合病院へと向かった。
「いろいろ検査したけど原因が見つからない、残るは髄膜炎の検査。髄液摂取の同意書にサインした」
妻からLINEがくる。
髄膜炎の予防接種はまだ先だ。
髄液をとる。生後まもない新生児にとってはとてつもない負荷と思う。
髄膜炎について調べる。細菌性髄膜炎。
調べれば調べるほど、悪いことしかでてこない。
かかるとかなりの確率で脳に重い障害が残る。など。
心臓がどうかしそうだった。
近所のお寺に駆け足で向かい賽銭箱に500円玉を投げ祈った。
それからその日打ち合わせでこちらに来てもらう予定だったクライアント二組に、リスケと謝罪の連絡をする。
車は妻が病院へ向かうのに使ったため、電車とバスで病院へ向かう。
電車に乗る10分間、細菌性髄膜炎に関して引き続き調べる。
でも希望になるような記事にはたどり着けなかった。
病院の最寄り駅からはシャトルバスが運行している。
真夏の正午、真上からじりじりと肌を焼く太陽の下、ターミナルでバスを待つ。
バスの車中、iPhoneを両手で握りしめ、目をつむりとにかく祈った。
どんな結果が待っていても退院したら人生をかけていろいろな思い出を作ろう。
楽しいところへたくさん連れて行ってあげよう。
大きくなったらいろんな美味しいものを食べさせてあげよう。
おもちゃも好きなだけ買ってあげよう。
みんなで世界中を旅しよう。
仕事はどうなってもいいずっとそばにいよう。
そう思った。
エントランスをぬけ、総合病院の案内図で小児科の位置を確認する。
途中院内のコンビニで少しでも心を落ち着かせるために普通にサンドウィッチとコーヒーを買う。
モダンな院内の中、小児科はパステルカラーで彩られていた。
妻に付き添われ、髄液をとられた娘の泣き声が扉の向こうからかすかに聞こえる。
検査結果を待つ。
ベンチに座り祈る。
「原因不明、残るは細菌性髄膜炎の検査のみ」。
ということはもう。。。
少しずつ覚悟を決める。
「髄膜炎じゃなかった!!!!!」
妻からLINEが来た。涙が流れた。
とりあえず神かなにかに感謝した。
その夜から妻に付き添われ娘は入院した。
1週間の入院と言われた娘は、3日ほどで回復し退院した。
原因はあいかわらず不明だった。
あれから一ヶ月ちょい、娘はいまのところムチムチと成長している。
息子は1年前と比べ、ひらがなが少しずつ読めるようになり、口も達者になった。転園した保育園にも楽しそうに通園している。
あたりまえの生活は、決してあたりまえの生活ではないんだと思った。
大きく心を揺さぶられたので書き記しておくことにした。
二人が健康に育ってくれるならそれ以上はなにも望まないです。
2019夏
※細菌性髄膜炎に関しては個人で焦りながら調べたことなので誤りがあったらすみません。
最後までお読みいただきどうもありがとうございます。