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SR680

ダイハツのシャレードのピストンを流用して、私は自分のSRのエンジンをボアアップした。

クランクはノーマル500cc用から400cc用のモノに交換した。

400のクランクは500と比べて、軽くショートストロークなのでよくレースでは定番のカスタムと言える。

ボアをノーマルの87mmから108mmに拡げて、ストロークが87mmから84.5mmになったので圧縮比が11以上になってしまった。

足で空キックを踏むと物凄く重たい(涙)

キャブはデロルト42π、サイレンサーはDUCATIのコンチマフラーの一本を使用した。

だが。。。

何度キックしてもエンジンは、うんともすんとも言わない。

100回はキックしただろう……。(憂)

冬にもかかわらず全身汗だくになった。

でも、エンジンはかからない。


仕方ないので、押し掛けすることにした。

ギアを3速に入れ、車体を後輪がロックするまで押し下げる。

そして、クラッチを握り車体を思い切り前に押す。

小走りから全速力でSRを押しながら走りながらシートに飛び乗り、おもむろに左手で握っていたクラッチレバーを離す。

一瞬、咳き込んだような感触でデロルトキャブが外気を吸い込む。

次の瞬間、コンチマフラーから辺りを震わすような爆音が響いた。

すぐにクラッチを切って私は、SRを停めるとアクセリングする。

物凄い爆音だ。

まるで昔のB-29爆撃機のようだ。

アイドリングが安定してから私は、SRに跨って朝靄の中へ走り去っていった……。

#エンジンがかかった瞬間

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