アルバム曲+α雑記感想
デコイショップという名前で2枚目のアルバムを出しました。
ので、せっかくなので調子に乗って自分の曲について書いてみようかなと思います。解説未満感想以上という感じ。
①ドアベルは泣かない
Right
大学1年生のとき、作曲を始めてから一番最初にちゃんと完成させた曲。完成といっても荒削りすぎたので、アルバムに入ってる音源はコードとメロディだけ残して全部録り直したもの。当時と比べると歌もちょっとうまくなったカモ!
作詞もほとんど初めてで、今思うと表現が陳腐だったり韻の踏み方がわざとらしかったりするのが少し恥ずかしい。言葉選びも中高生臭いですよね。達観とか詭弁とか、中学生の時よく使ってました。勘弁してほしいよね。でもこれはこれで初々しさが感じられていいのかも。思い入れはとっても大きいです。
イーゼルの内臓
元は「綿花畑で踊って」という曲だったのだけど、アレンジを繰り返していたらいつの間にか全然別の曲になってしまっていた。
歌詞に物語的な一貫性をもたせようと考えながら作詞したので、他の曲と比べて歌詞に少し背景とか物語性があります。孤独な内省じゃなくて、特定の他人と関係をもつことによる堕落を書いた。ラスサビの畳みかけは語り手の静かなヤケクソ感が感じられて気持ちいい。タイトルも、いつもは適当につけてるけどこれは結構考えてつけました。ギターを頑張ったせいで難しくなっちゃって絶対ライブとかできなさそう。
チープチックラップトップポップ
一晩で作った。歌詞もタイトルも全部適当。でも今聞くとラップパートの完成度がだいぶ高い。気がする。
全体的に胡散臭くて軽妙な感じがうまく演出できててよかった。歌詞にも「表面的には飄々としつつ根本的にはネガティブでいたい」という作者の心理が染み出ている……こう言うと、あたかも自ら選択してネガティブな自分を採用してるように聞こえるけど、「ネガティブでいたい」っていう感情がそもそも暗すぎるよね。卵が先かニワトリが先かみたいな話。ネガティブな卵から生まれたネガティブなニワトリ。
タイトルはチープチック・ラップトップ・ポップで区切ると覚えやすいです。作者はチチラプって呼んでます。
FeltShield
Studio One(DTMソフト)でトラックの反転(逆再生)ができることを知って、おもしれ〜と遊んでいたらできた曲。ドラムが難しくてうまくミックスできないまま世に出した。数年後とかにもうちょっと完成度の高いものを出せたらなと考えてたりします。
うるさい間奏部分はやり場のない怒りがドカーンと表現できててよい。タイトルは適当につけたけど、字面がカッコイイし曲の雰囲気と合ってるからそこそこお気に入り。色んな解釈もできそうだし。
sugar
ギターは鳴らせば鳴らすほど良いというスタンスの時期に作った。草稿段階では8本くらい鳴ってた気がします。バカだね。そんなこともあり、この曲を作ってから自分の中で「もうシューゲイザーはええか…」となったような感じがする。
歌詞は、内容と韻の均整がとれててかなり満足してます。時間が経って許せたこともあれば、あの時には無かった変な優しさを挟んじゃうような、微妙な距離感になっちゃった寂しさもあり。「話せないことは話さなくていいよ、まだ」っていうフレーズは偶に自分で泣きそうになる。
最後に電話をとって終わり、みたいな締め方も自分にしてはオシャレでいいですね。これを作った頃はまだギターソロにかける情熱もあった。タイトルのsugarは全部小文字です。
②デバフされた猫たち
old decoy#10
ギターなどの楽器を買う前に作ったっぽい、打ち込みオンリーの短い曲。作りかけの曲の履歴を漁っていたら出てきました。聞いてみると意外と良い感じだったのでそのままOPとして採用。よかったね昔の俺。
タイトルのオールドデコイの意味は、単にデコイショップが昔に作ったから。数字は保存してあった日付。
2Pカラー
明るくてポップなものが作りたくなってできた曲。ただ歌詞は暗い。曲としては全体的にシンプルかつキャッチーに仕上がったと思っていて、珍しく当初の目標(明るくてポップ)を結構達成できた!と勝手にホクホクしています。
コーラスが初音ミクなのも、「2Pカラー」っていう言葉のどことないデジタルさ、無機質さに合っていて勝手に納得している。ニコニコやyoutubeにメインボーカルミクさんverのMVも上げてるのでぜひ。絵はiPadで描きました。Gifみたいに動かすの楽しかった。
通り魔の文体
暗い。割と攻撃的な歌詞。思いの丈をそのまんま吐き捨て侍といった感じです。類語を覚えても何にもなんねえのは本当にそう。
特にこだわりどころは無くて、そういうところができる前になんとなく完成してしまった。でもギターのリフとかは結構悩んだかも。歌をオクターブずらしてユニゾンするとなんか良い感じになるというのはLiberal & Crippleの曲が教えてくれました。
"人間発電所"を聞いて俺は - Liberal & Cripple
風のように
スーベニアみたいな曲を作りたいと思って作ったけど、あんまりうまくいかなかった曲。その時点でモチベが大分下がったけど、発想は悪くないと思ったのでちまちま手を加えて短めの曲としてなんとか完成させた。MIX難しすぎてゲロ吐くかと思ったし、別にうまくいかないまま完成にしちゃった。
歌詞は割と具体的な物とか背景の描写が多め。昭和初期あたりの売れない小説家になったつもりで書いた。自然体でクセのないものを書けた印象。食べ物で言うと湯葉。
放し飼い
このアルバムで唯一BメロらしいBメロがある曲。できたのは最近だけど、アイデア自体は大学1年のときからあった。当時はスパカリスペクト全盛期だったのでサビのメロと歌詞に少しスーパーカーみを感じるかも?愛とか言ってるし。フルカワミキが歌っても違和感なさそうじゃないかな!
最後のギターソロはビートルズのパチモンみたいになりましたが、自分の曲が何かのバッタ物なのは今に始まったことじゃないのでま〜いいでしょ。あと、なんと自分にしては珍しく転調します。それだけ。
ナーフアンドナーフ
明るいポップソング第二弾。ただ歌詞はやっぱり暗い。曲の骨組みは一晩くらいで完成したような気がする。確かWurtSあたりに影響されて作った。最近聞き始めたひがしやしきを真似して合いの手とか入れてたりする。
ノリが良い曲なので、歌詞も韻とか言葉の響きを大事にするように心がけました。サビ歌詞はパズルみたいで楽しかったな。でもノリ重視にしてはいい内容で書けたと思う。タイトルもキャッチーで好き。
屈託のない日々
いつも「循環コードの曲しか作れんわ〜笑」とヘラヘラしてる作者にしては珍しく、少しコードに動きがある曲。熱帯後に触発されて作った。
"向かいの家では犬を飼ってるんだってさ 頭が悪くて可愛いらしいよ" の一節は今まで書いてきた歌詞の中でも一、二を争うくらいお気に入り。スバラシーね。
音数の少なさと間奏の電子音がチープさを演出していていい感じ。
一応、前半後半で違う人の言葉という設定です。歌ってくれる女の人がいれば、いつかスパカのLuckyみたいに男女でパート分けて歌ったバージョンとか作ってみたいですね。キーが合う方はぜひ軽率にご連絡ください。
ヴェルヴェット - 熱帯後
車輪の国、町の轍
作ったときのことはよく覚えていないけど、7/4拍子の曲なんて、相当調子に乗ってたんだと思う。でもサビのメロディは案外収まりがよく出来たので自分でもちょっとびっくり。7拍子曲の正解とかセオリーとかが分からなすぎて放り出すように完成させちゃったけど、こだわろうと思えばもっとこだわれたのかなあとか思ったりもする。でもまあ、やっぱいいや。疲れるので。
あと、歌詞は一瞬で書けたのに対してタイトルがずっと決まらず、近々まで改題を繰り返して直前にようやく決まりました。でもタイトルを考える中で歌詞の解釈の掘り下げができて楽しかった。
メトロキティ
踏切の音をサンプリングして曲を作ろう、というコンセプトのもと作られた曲。音データはニコニコモンズから拾ってきました。ノリで作ったにしてはだいぶ感傷的な仕上がりになってしまったのでアルバム最後の曲に。
初めて歌詞を一部英語で書いたけど、発音はともかく、英文そのものが変じゃないか不安。でもわからないなりにちゃんと韻も踏もうとする気概は買ってほしいところではある。噂だとYOASOBIの英語歌詞も韻とかまあまあ酷いらしいから俺も許してくれや。
番外編:クランベルト
Asleep
そのときもってた引き出しぜんぶ開けたみたいな曲。アルペジオとか歪みとか覚えたての技術(?)ぜんぶ乗せ。サビのhu〜ってところは、当時よく聞いてたマイブラの曲から着想を得たような記憶がある。
このときは、デタラメ英語でメロディを考えたのち日本語歌詞を後からつけるという一人スーパーカー方式を採用していたので、少しメロディ先行感が強いかも。「安心を蹴っていた僕ら」っていう始まり方は、「安心を買った」で始まるスパカのFAIRWAYのオマージュというかパクリだったりする。アンサーソングではない。自分が作ったデモの時点では激暗だったけど、バンドで録った音源は結構明るい感じ。
バンド始めてから、色んな人がこの曲を褒めてくれてと〜〜〜〜〜っても嬉しかった。ありがとうございます。
Curtain
あんまり言うことない曲。コードが3つしかない。ギターの富安がアレンジ?編曲?してくれてだいぶよくなった。
水中の壜
the cabsの2月の兵隊に影響されて作った。ドラムが難しくて後悔してます。イーゼルの内臓と同じく、共通した背景や物語性がある歌詞。なんかあからさまにオシャレな言葉が多くて自分が書いた歌詞じゃないみてーだと偶に思ったりする。
羽撃
読み方は はうつ。ボーカルメロディとかの完成度はだいぶ高い気がするけどライブが難しい。のであまりやらない。サビの歌詞をもうちょっと考えてーなと思ってるけど、今のところ思ってるだけ。羽撃と書いてハウツー(How To)と読ませようか血迷ったこともあったけど、シャバすぎるのでやめた。
Bravado
RadddjurのSweet Daysを参考に作ったリフからできた。だいぶいい曲。印象に残るリフを作れたらその時点ですでに勝ち説はある。
歌詞は俺です。ほんとうに謝りたいことばかり。
Sweet Days - Radddjur
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