処刑人


 「どのような権力も、処刑人に依存している」という言葉がある。これは言い換えれば、処刑人を手中におさめたものが権力者であるということでもある。あるいは、力のある処刑人を従えている者が権力者になりうるということでもある。

 使えない処刑人、また処刑人の力を統制する権力は、見せかけの体制をつくっている。この偽装権力は、国家の、国民の安全を守っているようにみせかけることによって、その権力を活かしている。それゆえに、いざ何かしらの危機が生じたときには、この権力は自らが全く無力であることをさらすのである。

 戦後日本の権力はこの象徴である。

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