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#聴いてみた リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」組曲

NHKFM[「音楽の泉」のを聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

歌劇「ばらの騎士」組曲
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
作曲: リヒャルト・シュトラウス(24分5秒)<ユニバーサル UCCG1031>

ワルツ「ディナミーデン」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、
アンドリス・ネルソンス(指揮)
作曲: ヨーゼフ・シュトラウス(10分18秒)<ソニー SICC2158>
次にヨーゼフ・シュトラウス作曲「ディナミーデン(秘めたる引力)」をお送り致します。
ワルツ王ヨハン・シュトラウスの弟ヨーゼフ・シュトラウスは今のウイーン工科大学出身の建築技師・発明家でしたが、多忙な兄ヨハンを助ける為に音楽の世界へ。
才能は兄以上と言われましたが、1870年に42才で亡くなっています。
ウイーンの王宮舞踏会場で1865年に初演されたディナミーデン。
このタイトルはある技師による造語。
目に見えない小さな物質が引き合う力と言う意味です。
(ただ今のワルツ(「ディナミーデン」)の1部をリヒャルト・シュトラウスが歌劇「ばらの騎士」に引用、「ばらの騎士」のワルツの元になりました。)

ツェチーリェ 作品27第2
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ) 、 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 クリスティアン・ティーレマン(指揮)
作曲: リヒャルト・シュトラウス(2分12秒)<ヴァージン TOCE90180>
リヒャルト・シュトラウスが新婚の妻パウリーネにプレゼントした歌曲から「ツェチーリェ」と「あすの朝」をお送り致します。
 ツェチーリェ、これは詩人の名前、愛の歌という意味もあります。

あすの朝 作品27第4
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ) 、 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(管弦楽) 、 クリスティアン・ティーレマン(指揮)
作曲: リヒャルト・シュトラウス(3分37秒)<ヴァージン TOCE90180>

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

🖊ドイツロマン派最後の巨匠 リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲をお送り致します。
オペラの調べによるオーケストラ組曲をご一緒致しましょう。
(♪~)妖艶なワルツが聴こえて参りました。
歌劇「ばらの騎士」のテーマ音楽、「ばらの騎士」のテーマ音楽として親しまれている音楽ですね。
歌劇「ばらの騎士」はリヒャルト・シュトラウスが作曲した5曲目のオペラで 1911年1月にドレスデン宮廷歌劇場で初演され大成功をおさめました。
このオペラを鑑賞するために特別列車『ばらの騎士号』がベルリンから出発、ドレスデンとの間を何度も往復しています。
また、ウイーン宮廷歌劇場でもその年の4月に上演され、 年内だけで30数回上演されるほどの人気を博しました。
オペラの舞台は18世紀半ば、煌びやかな文化を誇ったハプスブルク帝国の帝都ウィーン。
「ばらの騎士」と言うのは 貴族の結納の儀で婚約の印となる銀のばらを花嫁に届ける男性の使者のこと。
しかし、この儀式、使者はオペラの台本作家ホフマン・スタールの創作でした。
そのオペラでばらの騎士の使者を務めることになったのは元帥婦人マルシャリンの若い恋人オクタヴィアン。これはメゾソプラノの役です。
彼はオックス男爵とゾフィーの結納の儀で「ばらの騎士」を務めたのですが、女好きで荒っぽい性格のオックス男爵と婚約させられた可憐な令嬢ゾフィーに一目惚れ。
ゾフィーもオクタヴィアンを好きになります。
お手伝いが書いた「お会いしたい。」という偽のラブレター。これはオクタヴィアン達が仕掛けたものですが、オックス男爵はそれを手にご満悦。上機嫌でワルツを歌います。
元帥婦人マルシャリンは、若い2人、オクタヴィアンとゾフィーに芽生えた愛を祝福。
夫人は愛おしく思っていた青年オクタヴィアンへの気持ちに終止符を打ちます。
彼女は時の移ろいに身を任せ去ってゆきます。
いわゆるウインナワルツがまだ存在していなかった18世紀半ばという時代設定にウイーン風ワルツを響かせたリヒャルト・シュトラウス。
ばらの騎士が本当にいたかのような台本を書いたホフマン・スタール。
このコンビはモーツァルトのフィガロの結婚からヒントを得、貴族社会特有の艶めかしい情事と若者たちのひたむきな愛を描いたのでした。
大ヒットしたオペラ故、ワルツを中心に多くの編曲が生れました。
リヒャルト・シュトラウス自身もワルツメドレーを作っていますが、これからお送りする1番有名なオーケストラ組曲は音楽は勿論リヒャルト・シュトラウスですが、誰が組曲の形にしたのか実はわかっていません。
1944年秋にニューヨークのカーネギーホールでこの組曲を初演した指揮者のロジンスキーが編曲者ではないかと言われていますが、さてどうでしょう。
この組曲は第1幕の前奏曲で始まり、オクタヴィアンとゾフィーの2重唱、2人が捕まる場面、そしてオックス男爵のワルツ、続いて元帥婦人マルシャリン、オクタヴィアン、ゾフィーによる3重唱、2重唱、オックス男爵が引き上げる場面のワルツ、最後に27小節のコーダ(終結部)が置かれています。

🖊 リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」組曲を聴いてみて

リヒャルト・シュトラウスの音楽は豪華絢爛な作品が多い印象だが、この楽曲にはとりわけ豪華さと同時に妖しさとそして品格が備わっているように思う。
曲が始まった瞬間、ファンタジーの世界へと誘われるのだが、ただ夢心地になるだけの音楽ではないのだ。
豪華な中に時折り人生の奥深さやほろ苦さも聴こえてくる。
これが何回聴いても味わい深いと感じる理由だと思うのだ。



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