【59】カバ様と私。運命の人

友達に頼んで夫を紹介してもらった後、何ヶ月かメールやチャットでのやり取りをして、二度目に会った時に夫からの告白で付き合うことになった。
まだ好きだとは思ってなかったが、悪い人ではないし、断る理由はなかった。
そして、どうせすぐに別れるだろうとも思っていた。

付き合い出して何度かすれ違う事もあった。その度に私は「別れたほうが良いんじゃないかな」と伝えたが、夫は「なんで?僕は別れる程のことだとは思わない。こんなことで別れない。」と言っていた。

専門学校を卒業して、アルバイトをしていると私の事を気に入ってアプローチしてくれる人もいた。
私は「付き合っている人がいるので」と断っていたが『この人が私が本気で好きになれる人だったらどうしよう…』という思いがあった。

そのまま、自分の気持ちはよく分からないまま、だけどこんな自分をずっと大切にしてくれるのは、この人だけだろうなと思い、結婚した。

私の恋愛観は変わってないのに、夫だけがずっと別れることなく私といてくれた。

そこで、私はリーディングで何度も言われていたことを思い出した。私には“愛”があるというものだ。私は“愛”の存在だと。私は『そんなわけない』と思っていたが、子供への“愛”は確かにあった。そして、私に足りないものは“勇気”と言われていた。

実は、私の夫の名前は“ユウキ”なのだ。漢字もそのまま“勇気”。
だから私はリーディングで「勇気を持って」や「勇気を出して」と言われた時に、ずっと夫を連想していた。そして“勇気を出して一歩踏み出す相手”に夫を選んだ。

そして、私は凄いことに気が付いた。
私が小学生の頃、何度も告白していた人の名前も“ユウキ”だったのだ。でも漢字は違った。

「あなたは愛は持っている、あとは勇気だけだよ。」

子供の頃の私は、自分に足りない“勇気”を探していたのではないか?そして、今私の横で寝てるこの人が私の探してた“勇気”なんじゃないか?
『いや…きっと、そうだ!!』
私は夫を起こしてSEXしようと誘った。
 きっと、大丈夫だ。

でも結局、その日は出来なかった。
夫とキスしたり、触られたりした時に、全く“嫌だ”という気持ちが無かったこと、そして“幸せな気持ち”が湧き上がった事に驚いて、それが嬉しくて、号泣してしまって、それどころでは無くなったのだ。

私は今までずっと、キスしたり触れ合う事が嫌だったこと、でもその気持ちが無くなったことを夫に伝えた。
夫は「よくそんなんで今まで一緒におれたな。」と驚いていたが、私の心の変化を喜んでくれた。
そして「もう結婚もしてるけど、これからまた付き合い初めの気持ちで過ごしてみようよ。」と言って、もう一度、私に告白してくれた。

きっと、この人が私の運命の人で間違いない。
ずっとずっと探してた、自分が本当に“好き”だと思える人が、実はずっと私と一緒にいてくれた人だったなんて。

あぁ、本当に良かった。
本当の本当に、私は幸せだ。



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