【50】カバ様と私。チーズが消えたバーガー

子供たちは家で待つと言うので、私と夫は二人でマックへ向かった。
子供たちも大きくなってきて、ちょっとした買い物くらいでは一緒について来なくなった。

運転しながら夫は
「そういや、話進んでるん?赤ちゃんに戻ったって言ってたけど。」と聞いてきた。
「うん、めっちゃ進んでるよ。あの後また5歳に成長して、今は中学生のコノミがいてる。」
「え?めっちゃ進んでるやん。」

私はここまでの話を夫にした。時間はたっぷりあった。
カービィが人気すぎるのか、マックへ行きたい車で左車線は渋滞していたから。

マックが近づいてきて、夫が何を注文するか聞いてくる。
子供たちは“ハッピーセットのチーズバーガー”と言っていた。
今回は私もハッピーセットにしようと決めていたのだが、なんとなく『ハンバーガーが食べたいな』と思ったので
「子供たちはハッピーセットのチーズバーガーで、私はハッピーセットのハンバーガー…」と言いかけた。
でも『同じもの三つの方が注文しやすいか、店の人も用意しやすいだろうし。』と考え「私もハッピーセットのチーズバーガーにする」と答えた。
おもちゃはもちろん三つともカービィを選んだ。
あまりの人だったので、無くなってたらどうしようと思ったが、ちゃんと三つ買うことが出来て安心した。

何が入ってるかな?開けるのは帰ってからのお楽しみだ。
私はおもちゃの情報が出たときに『これはどれも可愛いから何が出ても当たりだな!』と思っていたが『まぁ一個選ぶなら“ぷかぷかカービィかな”』と思っていた。

家についてリビングのテーブルにマックの紙袋を並べる。
早速子供たちが、袋に入ったままのおもちゃを手探りで触りながら自分の分を選び始めた。私は残り物のおもちゃを貰う。
開けると中には“ぷかぷかカービィ”が入っていた。
『お!ラッキー』
上の子も「カービィ!!」と“ウィンクカービィ”を手に喜んでいる。下の子を見ると“ワドルディ”を持って、少しションボリしていた。私が「交換する?」と聞くと下の子も笑顔いっぱいになった。
私はワドルディを手に持って、幸せな気分になった。

さぁ、おもちゃも開けたし、バーガーを食べよう。
チーズバーガーを子供たちに配る。私も一個取って包みを開ける。
「…あれ?チーズ入ってない?」
包み紙を見る、やっぱりチーズバーガーの包みだ。
子供たちが「えー!!ママかわいそう!!」「持っていったら交換して貰えるんやで!!」と私のバーガーを覗き込んで騒いでいる。
子供たちの分はちゃんとチーズが入っていたようだ。
「まぁ、いいよ。チーズなくても。」
そう言いながら私は、あの時“ハンバーガーを食べたい”と思ってたからか?と、驚きで少し震えていた。

たまたま偶然だと言っちゃえばそれまでだけど、何となく
カバ様たちに『“ハンバーガーが食べたい”って思ったんでしょ?』と言われてる気がした。ほんとにちょっとハンバーガーにしようかな?って思っただけで、別にチーズバーガーでも良かったんだ。でもそれは“自分でも気付かないくらい反射的に、自分の望みを却下している”ということなのかと、気付かされた。

引き寄せの法則のまとめ話をyoutube聞いていた頃、似たようなエピソードを耳にした記憶があった。
頼んだバーガーにチーズが入ってなかったが、その人はそれが食べたかった、という話だ。これは、引き寄せのあるあるネタなのかな?こんなこと、本当にあるんだな。

後日談になるが、連休明けの月曜日、下の子の友達がうちでは出なかったスタンダードタイプの“カービィ”を連れて遊びに来て、一時的にではあるが全てのカービィが揃ったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?