従業員採用選考の手引について言いたいことがある

 こんなものを基準に選考していては業績があがるはずがない―

 私の感想ですが、しかし、ハローワークの言い分も一感想でしかなく、説得力0、エビデンス0です。

 ハローワーク(以下、「ハロワ」という。)から渡された「従業員採用選考の手引(以下、「手引」という。)」の内容に大きな疑問を抱えています。具体的には、本人の適性・能力のみが「採用基準」としていますが、本人の適性・能力の把握が困難なまでに制限されていると思料します。
 選考方法が不満ならこなければいいし、それがお互いのためだと思うのです。周りの多くの社長さん等の話を聞くと、本人は本人に責任のない事項によっても大きな影響を受けています。また、思想信条とパフォーマンスが大きく関わることも自明でしょう。例えば、国鉄時代の労組がどうであったかを想起すればいいでしょう。
 その人の適性・能力をどう見るかですが、情報は多い方がいいでしょう。私が雇いたくない人=私に雇われたくない人でしょう。一番の問題は何かというと、建前の議論ばかりで、エビデンスなしのハロワ側の単なる一感想であるため、説得力0な点です。
 例えば、宗教についてですが、イスラム教の場合、礼拝等の配慮が必要になりますが、そういうことを知らずに雇用すれば、お互い不幸でしかありません。 すなわち、本人の能力・適性のみをみるというのはいいのですが、把握方法としての禁止?事項があまりにも多すぎます。ただ、禁止事項を回避した質問も考えられます。そうすればいいのでしょうか。
 人は一人で生まれてきて、一人で育ち、一人で全部を完結させてきたというありえない前提に立てば、ハロワ側のいうことは一理ありますが、それはあり得ない空想でしかありません。 人は一人では生まれてこないし、一人では育たないし、一人で全部完結させることはできないという事実を見れば、やはりハロワの採用基準の話は、出鱈目な採用基準と言わざるを得ません。

 では、企業は上記を把握したいが、質問として禁止?事項がある。ではどうするか?禁止事項が推察可能な質問を行うでしょう。
 ということで、採用活動を面倒にさせているだけです。

 ところで、ハロワの主張を反証とまではいきませんが、反証を推測させるようなエビデンスはあります。私は全く専門外ですが、次の2つが容易にでてきました。

 ・労組と業績の関係の研究
Benson[2006]によれば、労働組合ある企業の収益性は有意に低い
Bradleyら[2015]によれば、労働組合の存在は、特許 数、R&D投資額を減少させ、企業のイノベーション にマイナスの影響を与える。従業員インセンティブ を高めても業績向上や業績維持につながらない

・支持政党と年収の関係の研究
世帯年収は高い (と評価している)人の方が自民党の評価も高くなる(安野,2003)。


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