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【ラノベ感想】1~4巻『負けヒロインが多すぎる!』

『負けヒロインが多すぎる!』全巻、読み終わりました。

あらすじ

「え? マケインって誰のこと?」

クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。

「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」

それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?

「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」

負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!

負けヒロインが多すぎる!|雨森たきび


感想

全巻読んだ感想を一言でいうと、「はよアニメ化して」。
これほどアニメ化が待ち遠しくなる作品と出会えたのはホント久しぶり。

まじで読む手が止まらなかった。Kindleの購入履歴を見たら、11月13日に1巻を購入して、11月15日に4巻を読み終わってた。つまり、たったの3日ですべてを読んだということになる。それほど面白かった。

どうしてこんなに夢中になれたのだろうかと考えると、それはキャラクターが”生きている”、からだと思う。
この作品はキャラクターの描写の細かさがほんと素晴らしい。例えば、食べ物を食べるときの仕草や会話中の細かな動き、そして主人公と他の掛け合い。
そのどれもが豊かに表現され、キャラの空間を容易に想像することができた。

普通の小説とかだと、最低限のこと(主人公の心情・行動)しか描写されない。だから読者は風景を主人公の一挙手一投足からしか想像できず、周りにいるキャラクターのことを曖昧にしか考えられない。
だからどこかスクリーンを遠くから見ているような乖離がある。しかしこの作品はスクリーンに入り込めるほどの没入感がある。

主人公以外のキャラもちゃんと同じ時間を生きているんだなと思わせられる。作者の描写力には脱帽だ。

この作品は、負けヒロインの失恋を、主人公という傍観者視点で喜劇的に描いている。
主人公は、負けヒロイン(3人)とふれあい、それぞれが持つ想いの複雑さを知ることになる。

先に書いたように、この作品はキャラクターの描写がダントツに良い。
だから負けヒロインとの掛け合いや日常がとにかく楽しい。
面白い―――じゃなくて楽しいのだ。だから時間を忘れるほどスルスルと読んでしまった。早くこのキャラクターが動いているところを見てみたい。
これほど映像化が期待できるラノベは中々ないと思う。

主人公はいわゆる、鈍感系。
本当はこういう主人公ってどこかわざとらしさがあって、好きになれないんだけど、この作品の主人公はまじで恋愛に興味ないんだなって感じがして全く嫌にならない。 
それどころか、それがいい具合にギャグになっているからむしろ許せる。

しかし4巻ではついに主人公が恋愛感情を持つような描写があった。まだ定かではないけど…。
しかもその相手は意外な相手。
今後の主人公の恋路がまじで気になる。

ということで、『負けヒロインが多すぎる!』の感想は以上。
最近のラノベは恋愛系がトレンドなのか、数がかなり多い。そして質もなかなか良い。
しかし今おすすめするラノベは? と聞かれたら即答で『負けヒロインが多すぎる!』を選ぶ。

もし興味のある方がいれば、ぜひ読んでみてほしい。

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