昔あるところに(Once upon a time)
昔むかしの物語。
年老いた将軍が、王に報告をする。
「国の民の所有する財産を守り、国の民が耕した土地を護り、我々は本日も果敢に行進する次第です」
王が微笑む、天使のように。
「国の民、とは誰のことなのだろう。もうここには
将軍、貴方と私しかいないというのに。
かつて豊かな大地と美しい空を、確かに我々は借りていた。所有という呼び方をして。
それがそもそもの、勘違いの始まりとは気付かず。煙った空の向こうでは、太陽が燦然と輝いているのだろう。
我々とは違う時間軸の中で。
埃をかぶっ