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いちばん危ないのは

セルフの給油が苦手だ。緊張する。

とはいえ、近くのガソリンスタンドがどんどんセルフになり、セルフでない店が大分遠くなってしまった事、そもそもセルフの金額が安い事、からセルフ給油に再挑戦することにした。


そう。再挑戦だ。
緊張するのは、以前ガソリンをこぼしたからなのだ。


6年ほど前。
初めてセルフ給油に赴いた私は、一連の流れを店員さんに教えてもらい、カード出し入れやら何やらを終えて、レギュラーのノズルを車の給油口に突っ込んだ。
思い切りレバーを引いたら、『ガッ』と音がして給油が止まってしまった。忙しそうで申し訳なかったが、また店員さんを呼んだ。

「車の給油口に、あまり強く押しつけすぎないようにしてください」
と教えてもらって、ほんの少しだけ給油口から離して再度給油する。給油できた。だがまたすぐに『ガッ』と止まる。怖くて強く押しつけてしまうようだ。


ひとりで何度かコレを繰り返すうちに、手に伝わるガソリンの噴射する感触と急止する感触が怖くなってしまい、レバーを思い切り引かずに、少しだけ引いた状態にしてチョロチョロと給油しはじめたのだ。

その結果、数秒?数分?後にガソリンがこぼれた。
「うわあっ」
と叫んだところに件の店員さんが来てくれて、
「思い切りレバー引かないと、ガソリンが止まるロックがかからないです(からダメです)よ」
と落ち着いて対処してくれた。

『そうだった。最初に説明されてたのに』
申し訳なさや恥ずかしさ、それと怖さでそれ以来セルフに行けなかった。



再挑戦を何度かしていくうちに、やっと少し慣れた。最初の頃は、強くレバーを引きすぎて毎回指がツりそうだったが、今はそこまで力は入れなくなった。


ところで。
子供が陸上競技に取り組んだ時に、『紙雷管』(『かみらいかん』と読むらしい。『しらいかん』と読んでた)という存在を知った。

紙雷管(丸い部分が大きいほど音が大きい)

スタート合図をするピストルに入れるもので、錠剤のような部分に火薬が入っている。買った際には長く繋がっているものを、ハサミで1個ずつ切るのだ。


その中にこの紙が一緒に入っていた。
文章が気に入って、とっておいてある。


給油に行き毎回
『ちゃんと給油開始した』
とホッとし、
『こぼれずに給油が終わった』
とホッとする。終わったら何度も給油口のキャップを確認する。


うっかりした事をする自分=危険
であることを忘れないように。


緊張するけど、きっと私には必要。

でも、だから今も苦手。







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