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絵になる美しい街並みを創造する為の粉本/高山(たかやま)/岐阜県高山市三町伝統的建造物群保存地区/400年の歴史が息づく小京都、ベンガラ格子の古い街並が旅情をそそる


   158号線を利用して車で岐阜方面から高山に入って行くとJR高山線と直交する。その交点の直ぐ北側50メートルがJR高山駅で、ここから前方が高山のメインとなる市街地だ。
 線路と41号線を渡り、八軒町通りを突き当たって左折すれば陣屋がある。陣屋から宮川に架けられた中橋を渡り、二つ目の道を左折すると、そこが古い建築物の多い上三之町。この町に続く上二・上一、北側の下三・下二・下一之町は金森氏時代からの城下町で、三町(サンマチ)と呼ばれ、一部が重要伝統的建造物保存地区に指定されており、景観的に優れた街並みが残っている。
   これらを中心に広がる高山の街並みは、主として軒の出の深い、ゆるやかな勾配の瓦屋根とベンガラ連格子を設けた外壁で構成され、それらは天領飛騨の中心地に相応しい高貴ともいえる風格を醸し出している。
   詳しく見れば白壁の屋台蔵、格子戸に犬やらいをあしらった建物もあるし、街路に沿っては造酒屋や呉服屋、版画屋、民芸品店、味噌屋、旅籠、表具屋、等々が並んでおり、造酒屋の店先には、新酒ができたことを知らせる杉玉を軒先に吊るす等、個々の店先でも個性的な表情を表出させており、それらが綾織物の如く織りなされて、より絵になる美しい街並みを形成しているように見える。今では観光地化しているが生活環境としては壮快そのもののようだ。

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