日本政府の予算管理の実態

財務省は、日本政府の財務諸表を公表している。
一般会計
一般会計・特別会計 合計(連結ではない)
連結(出資法人)

これをよく読むと、企業で言う損益計算書に当たると思われる表には「減価償却費」はない。そうなると貸借対照表もない。
それは別に管理の為だけに作成している。つまり収支の管理と一元管理されていない。

時系列比較してみると、補助金は増えることはあっても減ることはほぼない。その明細ではなぜか毎年その政策名称が変わっている。つまり、形式的には政策は変わっている。

ある警察幹部の話、予算は毎年使い切る、そうしないと翌年減らされるから。
私は東京都内で65年暮らすが、自動車を夜運転しているとなぜか年度末、工事ばかりが目立つ。

東京メトロの新線建設説明会での話では財源は補助金が多くを占める。その出元は財務省、東京都。しかし財務省は減価償却費を計上していない。補助金だから当然である。しかし内容からしてそれで良いのか?
東京メトロは採算性を計算していない。しかし新線建設はやめない。

この国の役所の財務管理は狂っている。
使う方は使い切ることに懸命になり、名目はともかく使い切る。手を変え品を変え使い切る。

民間企業なら、管理基準は当期利益。それを死守するために知恵を使う。役所は使う切ることを死守する。入りが足りなければ借りてくる。借りられないことはあり得ないと思い込んでいるからだ。高橋洋一曰く「徴税権があるから債務超過ではない」これは官僚の驕りの現れだと思う。貸借平均の原則を無視している。

私は年間売上、10兆円を超える企業で予算管理をしていた。交際費、会議費、研修費、政策費は使い方を見直すには適している。当期利益の見通しに不足が見込まれれば減額することを考える。役員室が一言言えば、会社全体で相当な単位で減る。
10億?100億?1000億?1兆?

役所はなぜ、管理基準を収支の結果で行わない。
なぜ、減価償却費を管理しない。
なぜ、貸借対照表を管理しない。
なぜ、それを官邸は指示しない。

管理するのは「財務省」の仕事ではないのか?
この仕組みは恐らく明治から変わっていないのだろう。先人たちの知恵の結晶なのだろう。しかし世の中は変化している。それに対応していないのではないか。
彼らは、東京大学法学部卒が殆どで、国家公務員試験点数最上位のトップ中のトップと聞く。
その彼らがなぜ、そのように発想しない。

私は、それは偏差値と人間の能力の違いだと思う。偏差値は人間の能力のほんの一部に過ぎない。偏差値だけでは想像出来ない、しかしそれだけに偏って権限を与えてしまっているのが今の官僚制度だ。1890年明治天皇が示された「教育勅語」がそれを表している。それを無くされてしまったのがこの結果だと思う。道徳を失った人間に権限を与えてしまうとこうなる。

「母親からポケットを縫ってやろうか」とは誰が話したのだろうか?普通は言われた本人が言ったと思うが。もしそうだとしたら、それを平気で言う神経、そのこと自体信じられない世界である。

政府には出資法人が2019年3月末で215ある。
それが連結財務諸表の対象には、下記18法人は含まれていない。
日本銀行
日本中央競馬会
日本電信電話株式会社
中部国際空港株式会社
東京地下鉄株式会社
株式会社商工組合中央金庫
株式会社産業革新投資機構
株式会社農林漁業成長産業化支援機構
株式会社民間資金等活用事業等推進機構
株式会社海外需要開拓支援機構
阪神国際港湾株式会社
株式会社海外交通・都市開発事業支援機構
株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構
横浜川崎国際港湾株式会社
日本製鐵株式会社
帝国燃料興行株式会社
南方開発金庫
外資金庫

そして、出資法人の財務諸表は開示されていないものが多い。出資法人の出資法人は分からない。

財務省財務諸表サイト
2023年3月末は、恐らく2024年6月以降の開示と思われる。遅いと思う。
https://www.mof.go.jp/policy/budget/report/public_finance_fact_sheet/index.htm

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