見出し画像

第四十六話 二人でお話①「after the school」数馬と三の姫編④

「数馬と慈朗が、ハイスクールに一緒に行くようになってから、二か月が経って、一緒の一学年クラスで、お勉強できるようになりました。お席は、特別に、先生の側の一番前で、教卓の前は私、私から見て、左が数馬、その後ろに慈朗、ということになりました。
 桐藤と柚葉は、三学年だけど、時々、お昼ご飯は、皆、ご一緒で、皇宮から、暁や月がお弁当を持ってきてくれました。お友達が、時々、羨ましいというので、先生とご相談して、交替で輪に入って頂く、というのをしてくれました。これは、希望した方だけです。
 慈朗が、上手に、ご飯を食べられるようになったので、皆とご一緒できるのが、良かったなと思います。柚葉は、慈朗のお世話をやいてるのだけれど、食べ方とか、大皿から、自分のお皿への盛り方とか、細かいことまでし
て見せていて。慈朗は、柚葉に言われたことは、すぐ覚えて、いっぱい、褒めてもらっています。桐藤は、柳羅お姉様のお世話で、お休みが多くて、週に一回しか、学校に来ませんが、そんな時は、おかずを一つずつ、きちんとお皿にとります。すごい、真面目な食べ方なので、聞いたら、バランス良く食べるコツだと教えてくれました。桐藤がいる時は、スメラギ式のご挨拶をきちんとしてからでないと、食べられなくて、数馬が、その前に、つまみ食いをした時には、怖い顔で睨んでいました。でも、学校では、簡略化していいと、お父様から、お許しが出たので、桐藤のお休みの時には、短いご挨拶になりました。・・・」

数馬「うーん、これ、作文だよね?三の姫様?」

 三の姫様の、今日の宿題は、国語の作文。俺と慈朗シロウは、時間内に終わらせてきたものだ。

三の姫「うん、尊敬できる周りの人のことを書いて、何故、そうなのか、って」
数「うーん、・・・柚葉に見て貰おう。これって・・・柚葉」
柚葉「どれどれ?ああ、えーと・・・そうですか、そうですね。同じ課題を書いた、クラスメイトの方の作品を、三の姫様、読んでみてください。後で、以前の優秀作品のプリントを渡しますから、ご自分のお書きになられたのと、どこが違うか、読み比べてください。それから、ハイスクールの生徒らしい書き方をお教えします。まあ、的外れなのと、人が見たら、恥ずかしがるような、他の人のことを書いてはいけないんですよねえ・・・まあ、これは、書き直しです」

 そういうと、柚葉は、作文用紙を綺麗に畳み、スッと、自分の教材の間にしまい込んでしまった。

姫「えーっ、まだ、途中だよ」
柚「読解力があるのに、表現力が幼いのが、玉にきずです」
数「うーん、読むと、俺には、よくわかるよ。でも、なんか、日記みたいだし、ちょっと・・・」
慈朗「ごめんね、ちょっと、・・・これ、エレメンタル(小学校)の子のみたいだね」

 この頃、女美架メミカ様の作文通り、俺と慈朗が補習を終え、1学年のクラスに入ることになった時だった。驚いたのは、慈朗の学力の伸び方だった。別に、慈朗は、三の姫を馬鹿にしたつもりではないだろうが、そのように、感じたんだろうな。俺もね、言わないようにはしてたけど、それに、俺も、そんなに上手く、そんな文章なんて、書けないからさ。

 まあ、そんな折、学校っていうのが、すごく、お仕着せで、皆に同じことさせたがって、かなり、面倒臭いのが、俺には、解ってきた。最初は、慈朗と二人で、特別室の補習だったから、多少の自由があったけど。

ここから先は

4,478字

高官接待アルバムプラン

¥666 / 月
初月無料
このメンバーシップの詳細

更に、創作の幅を広げていく為に、ご支援いただけましたら、嬉しいです😊✨ 頂いたお金は、スキルアップの勉強の為に使わせて頂きます。 よろしくお願い致します😊✨