「樋水の流布」 第四話
先生が退室されると、彼は、座り直して、初めて、私と目を合わせた。
「どうかな?流行りの店で、スーツを誂えたんだ。似合うだろう?」
「うん、カッコいいね。スタイルいいから、似合うよ。モデルみたいだね。イケメンで」
「・・・はあ、心の込もっていない言い方だなあ・・・そういう風に、淡々と言うんだ・・・前々から、思っていたんだ。相変わらずなんだ、流布は・・・」
「・・・そんなことないです」
「先生とは、どうなの?」
「先生と弟子ですよ。・・・それ以上も、以下もありません」
「まあ、