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パイセン風を吹かせる


それから、いぬを踏んづけた後、小中一緒で、塾の生徒だった子が10年ぶりに出現。

M: 「あ!廣木先生?あ!おーちゃん!」

私: 「誰やっけ?」

M:「私、Mです!」「私、先生になりたいんです!」

私: 「すごいね!応援してるよ!」

M: 「私、働きながら通信で勉強したいんですけど、どこがオススメですか?」

私: 「相談する相手を間違ってるよ…私は先生じゃないしさ」

M: 「今は教えてないんですか?」

私:「今は塾の先生してないよ、おーちゃんと2人で公立のデザイン専門学校で先生をさせてもらってるよ」

M: 「やっぱり先生されてるんだ!私、親に反対されてるんです…この足じゃ、偏見があるから苦労するだろうって。」

Mちゃんは、足にちょっと障がいがあり、それを理由にお母さんが先生になることを反対しているそうです。

私: 「え!そうなん?なんで⁇」

M:「私のような人間が先生になってもいいんですかね…」

私:「いや、そんなん思う必要ないよ!絶対大丈夫だって!」

M: 「お母さんを説得していて、少しずつやけど、こっちに傾きかけてはいるんです…」

私: 「少しずつ説得してるんやね…私とおーちゃんを見てごらんよ!こんな凸凹な感じでさ、よく先生って言えるよな。おーちゃんはともかく、私、無免許で運転してるんだよ!?なんで公立の学校で教えられてるのか、いまだによく分からないよ!しかも、科目が国語や算数とかじゃなくって、「インクルージョン」やで?!インクルーシブ教育が科目って、想像つく? "多様性"ってタイトルの授業があったらさ、Mなら何する?私最初さ、道徳みたいになっちゃってさ(笑)あ、これ違うわ、って。(笑)次に試したら、今度はコンペ形式で競争させちゃってさ…。答えなんか、ないのに…。それから、おーちゃんのことにフォーカスし過ぎて、今度は生徒をこっちの仕事に働かせようとしたりね…マジで失敗ばっかりやで。な?インクルージョンって、"空気"みたいなことやで?おーちゃんが頑張って通学して、みんなのご縁でバトンがつながってきて、そこに、たまたま私が、美味しいところに乗っかって、"空気"を教えてるんやで?今まさに、その"空気"を、形に変えろって言われてるところで、それで困ってるんやけど…。それでも、私でさえ、"空気"みたいなことを伝えさせてもらってるんやから、毎日コツコツ頑張ってるMは、なおさら、確実に、地に足をつけて、ちゃんと先生になれるよ!!今は先生になりたがる人も少ないねんから、チャンスやん!!」

と、どこから湧き出してくるのか、謎の先輩風を吹かし犬を踏んづけたことも忘れていました。

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