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ZVXはCCA CRAを超えたか? KZ ZVX

こんにちは。あら50りっぷです。
飽きずに連日イヤホンレビューを続けております。今回は国内ではまだ在庫薄の『KZ ZVX』が早期届きましたのでご紹介したいと思います。

『KZ ZVX』は新型の10mmダイナミックドライバー×1基を搭載した2023年発売のモデルです。Amazon価格で2,448円と、これもまた信じられないようなコスパを発揮していますが、発売から日が経っていないのでAmazonで購入してから納品までに1ヶ月以上かかりました。まずは外観から見てみましょう。

フェイスプレート+ボディーともにフル金属で、価格以上の品質を備える

ZVXはフェイスプレート+ボディーともにフル合金のため、手に持った瞬間からずっしりと重量感を感じます。昨年発売されたTinHiFi C2 もボディーがフルアルミ合金製のイヤホンですが、それとは比較にならないくらい重厚で、KZシリーズの中でもこれほどズッシリ感じるモデルは他にないように思います。でもこの「重さ」が=今から良いイヤホンで音を聴くぞ=と心をワクワクさせるアクセントにもなっています。確かにこの価格帯でオール金属ボディーというのは他に類を見ない贅沢仕様でしょう。ところが一度耳に装着して音楽を聴き始めると不思議と重量が気にならないのは、装着にまったくストレスがないからかもしれません。サイズも標準的なKZイヤホンのサイズを踏襲しているので耳入れもスムーズで、奇をてらった形状でもないためどんな耳でも問題なくフィットするはずです。

手に持つとずっしりと重量を感じるオール金属ボディー


デザイン的に特徴のある上部の三角穴は、重量増を低減させるのが目的か?

デザインが特徴的な上部の三角穴は、フル金属ボディーによる重量増を少しでも減らす目的があるのでしょうか? ボクはこの穴にキーチェーンを通してぶら下げて持ち歩きたくなる衝動にかられました。メーカーはまったく意図されていないとは思いますが、ね。ブラックとシルバーの2色が選べる中で、今回ボクがシルバーを選んだのは大正解で、こちらのほうが金属の質感がより感じられ、光を反射したときの見た目がキレイで、価格以上の高級感を覚えます。

ボディーのビルドクオリティは高く、マットなシルバーカラーにも高級感がある

付属ケーブルはKZ標準ではおなじみのOFC線(カラーはブラウン)ですが、このケーブルのままではZVXのポテンシャルを十分に活かすことはできないので、銀メッキ線や純銀線にリケーブルする効果は十分に得られると思います。もちろんボクも最初からリケーブルしてしまいます。

『KZ ZVX』に搭載されるのは10mmの二重磁気ダイナミックドライバー(新型)×1基で、超薄型の4.8μm樹脂振動板が使用され、さらにより強力な4層ボイスコイルを採用することで磁気ギャップを0.15mmに抑えています。2020年頃から性能と音質がどんどんアップしていったKZのダイナミックドライバーですが、2023年に発売されたZVXに搭載されているものはさらに進化したKZ DDの真骨頂とも言えるもの。早速イヤピースとケーブルを交換して視聴してみましょう!

耳に入れると重さを感じない。ZVXの印字も。

オール金属ボディーだからこそ感じられるキレキレのスピード感と残響感。見通しの良い華やかな高音域は想像以上にカリカリの寒色でソリッドなサウンドを奏でてくれます。「透明感」と呼べるほどではないものの、シンバルの音などは超美しく響いて天井まで抜けていくような快感があります。これはなかなかの好印象です!

中音域はニュートラルながらも、ボーカルを引き立たせるチューニングがされているのでしょう。定位が近くボーカルが目の前で聴こえてくるようです。解像感も十分、しっかり分離も感じられて、最初に聴いた瞬間『あれ? どこかで聴いた音だぞ。。。そうだ、CCA CRAだ』と思い出しました。でもCRAよりも気持ちよく鳴っている感じがするのです! BA搭載のハイブリッドモデルならともかく、1DDでありながら音がしっかり分離して聴こえるなんて、すごいチューニングだなと感心してしまいました。

低音域はタイトでエネルギーも量感も十分。まさにKZの音で臨場感もあります。ただし過去の二重磁気DDと比較するといい塩梅にバランス調整されていて、低域が他の帯域に影響を及ぼすことがありません。ベース、サブベースの沈み込みがしっかり聴こえながらもボーカルを楽しむことができます。布巻き銀メッキケーブルのJialai JLY3(2023年新色)とのマッチングが最高で、高音域がさらに華やかになり、全音域の音圧が自然に底上げされてZVXのもつポテンシャルをよく引き出していると感じました。

Jialai JLY3の銀メッキケーブル(2023新色)は全音域をいい具合に底上げしてくれる

KZと兄弟メーカーのCCAの1DDイヤホン群の中でもずば抜けて完成度の高かった先代機「CCA CRA」と「CRA+」。それに匹敵するほど明瞭でキレのある寒色サウンドを奏でながら、さらにもう1段進化したように感じるZVX。単純に音の質感と解像度を比べるならCRA以上でしょう。確かに樹脂ボディーの『CRA』がもしオール金属ボディーだったら、こんな感じに華やかで臨場感でるよな、と想像すれば納得もいくものです。またZVXは低インピーダンス設計なので、iPhoneなどのスマホに直挿しで音楽を聴く場合にも音量が取りやすいのもありがたい点ですね。

ZVXは低価格モデルながら底しれぬポテンシャルを持っているイヤホンで、今後いろいろな線材にリケーブルすることでさらなる「未知の音」を発見することができるかもしれません。この先が楽しみな新型1DDイヤホンからますます目が(耳が?)離せません。

もちろん、ZVXはお気に入りイヤホンリストに追加決定です!

BMWのようなオーラを感じる金属フェイスプレート


Amazonで購入する場合:
KZ ZVX
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BX98V578/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o06_s00?ie=UTF8&th=1


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