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休職者日記231118



黒猫に道を横切られる。小春日和の陽をいっぱいに浴びた匂いがするんだろうな。黒猫は猫の中でもとりわけいい匂いがする。

行きつけの飲み屋でよくない酔い方をしたらしく、謝罪に行く。常連さんに叱られる。服薬しながら酒を飲むのはよしたほうがいいよ、とはごもっともで返す言葉もない。

でも酒を飲まないでいる孤独に私は耐えられない。薬を自己判断で辞める蛮勇も持ち合わせていない。

一番程度の軽い抗うつ薬を飲んでいる。効果はある。悲しみがなくなるわけではないけれど、悲しみへの感受性が鈍る。おかげで夜中に号泣することはなくなった。でもあの悲しみは私自身を形成する大切な何かだったのではないだろうか?

マッチングアプリを始める。他人様に会える状態ではないけれど、新しい生活を始める可能性を一つでも持っていると思うと気が紛れる。ズラッと並んだ顔写真を見ると、みんな自分に関係ない人たちで、自分に関係ないところで幸せになっていくんだろうな、という感想しか持てない。


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