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カエルが「こんにちは」

何事かと思えば、テイクアウトした商品のカップの中に、カエルが残留していたらしい。

葉物野菜を自宅で洗えばよくわかるのが、土やらゴミやら虫やらは、結構なかなか落ちないという事。

私は自宅でコールドプレスジュースを搾るために、だいたい三日に一回ペースで大量の野菜を自宅キッチンで洗うのだけれど、これがなかなか時間を要する。
横長のバケツに浄水をたっぷり溜めて、その中で揺すり洗いするのだけれど、水を何度も入れ替えなければならない。
最近だと、バケツの底に小さな幼虫がウニョッ。

数年前に、実はこんな事があった。
「コレ何?」職場の同僚が買って来た、コンビニの野菜デリの一番上に、何やら不自然な黒いモノがトッピングされていた。
原材料には含まれない、黒。
同僚は、そのコンビニに毎日立ち寄っていて、自分が行くと顔を覚えられ気まずくなるのが嫌だからと、私に店に行くよう依頼して来た。箸は一切つけなかった。

現品を持ち込んで最初に感心したのが、レジのバイトさん(パートさん)たちの対応だった。真っ先に頭を下げてくれて、「体調が悪くなられたりはなかったですか?」と丁重に気遣ってくれた。
どこにでもあるコンビニなのに、何てちゃんと教育されたものかと、私は感動すら覚えた。

バイトさんたちが手際良く対応してくれたので、このような商品不具合は、もしかしたら珍しい話ではないのかも知れないと、その時感じた。

で結局、トッピングされているように見えたモノは、鳥の羽だと判明した。
(加工工場の担当者からの謝罪(超々平謝り)や調査結果の報告までの過程は割愛)
デリの原材料である野菜の栽培過程で葉っぱにくっ付き、加工工場においても取り除かれる事なく、そのまま製品の中に留まって出荷されたようだとの事。なので、混入ではなく、残留。
なお混入だと、日頃から衛生管理が行き届いていないのではという疑念も湧くけれど、残留なら個人的には理解できる。
そこを何とかしなさいよ!と言うのは簡単、現実には、専門工場だろうと、完璧に取り除くのは、なかなか難しい。
嘘だと思うなら、あなたが葉野菜を実際に洗ってみると良い。
その工場は、同業他社も見学に来るほど技術が高いらしいが、それでも残留してしまう。

そりゃ、カエルだって留まる事もあるって。
メディアは過剰に取り上げ過ぎだって。
そもそもSNSで発信した人、その手段はどうなのって。企業イメージにも影響する訳だし、企業と取引のある加工工場や農家さんにもダメージを与える。

虫もカエルも寄り付かないとなると、その野菜には、かなり強烈な農薬が撒かれている事になる。
見栄えの良い野菜や、傷ひとつない果物が当たり前ではない。
不揃いでも、虫食いがあっても、それこそが自然の産物である事をもっとみんなが許容して、もっと流通すれば良いと思う。

私たちは、他人と同じである事に安心して、同じでない事を非難して、きちんとしましょう、清潔を保ちましょう、些細な事も騒ぎ立てて皆で袋叩きにしましょう…実にくだらない、実に偏狭な風潮。

この件に関わった全ての人にお伝えしたい。
たかがカエルだって。

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