シュメル民話②

ゴンドワナ大陸のシュメル国。かつてこの国の中央にはそれは大きな湖があった。
周辺の村は水の恵みに預かり畑は潤い大いに繁栄した。

その青年は貧しく、村の鼻つまみ者であった。しかし彼は全く意に介さなかった。彼には神様と先祖から代々伝わる玉石があったからだ。
いつも肌見離さず身に付けてる玉石。それを握り締め神に祈る時間だけが唯一彼の幸せな時間であった。

ある日、青年は村人達にあらぬ疑いを掛けられ、玉石を奪われ湖に放り投げられてしまった。

決して泳ぎは得意ではなかったが、青年は水に飛び込み懸命に探した。陽が色を変え山の奥に隠れる。体力の限界はとうに超えていたが、それでも探し続けた。

それに気付いた神は慌てて湖を干上がらせた。時遅く湖底には玉石を握り締めた青年の遺体。
不憫に思った神はせめてもと玉石を夜空に飾った。

湖が干上がったことにより周辺の村は衰退し、その辺り一帯は砂漠となり、玉石は『砂漠の星』と名付けられ旅人の針路を示すようになった。

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