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【一万円】渋沢栄一が「日本資本主義の父」と呼ばれるわけ

新しい紙幣の発行が来月から始まります。
新たに紙幣のデザインに採用される人物は3名で
1万円が渋沢栄一、5千円が津田梅子、千円が北里柴三郎となっています。


このうち1万円のデザインに採用される渋沢栄一は
「日本資本主義の父」と呼ばれ、
多くの会社の設立にかかわった人物なのですが
なぜ彼は「日本資本主義の父」とまで言われるのでしょうか。


その理由は日本で最初の銀行を設立したからです。
この銀行、その名も第一国立銀行といい
民間銀行ではないように聞こえますが
じつはこの「国立銀行」、国立銀行条例に基づいて設立された
最初の銀行で民間の銀行なのです。

国立銀行なるものはどういったものなのでしょうか。
国立銀行条例からその定義を見てみます。

国立銀行は政府より発行する公債証書を抵当としてこれを大蔵省に預け
紙幣寮より通用紙幣を受け取り引換の準備金を設けてこれを発行し
もってその業を営むものなり

国立銀行条例 

ふむ、よくわかったわかった、とはいかないのですが
よく読むと第一条からなかなか面白い。

第一条 銀行の創立を願請する手続きを明にす

国立銀行条例

銀行開業マニュアルかよ。

やはり明治初期は教育制度が固まっていなくて
法令の記述法も今とはかなり違います。

現在の銀行法の第一条は

(目的)
第一条 この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

銀行法

となっています。

いまなら新しい法令ができると
法律家が法的側面を解説し
実務の専門家がどうしたらいいか
わかりやすくYouTubeやnoteで教えてくれるのでしょうが
あの時代はこの条例を読んで
理解して準備しなければいけないわけですから大変です。

それなら大蔵省の役人、つまり中の人である
渋沢栄一が自ら手本を示すのが一番わかりやすい。

やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ

と山本五十六の名言にありますが
まさに渋沢栄一はこの言葉を体現したのではないでしょうか。
なるほど「日本資本主義の父」と呼ばれる理由がよくわかります。

親父の背中を見せていたわけですね。












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