否を出すに利あり

料理屋でフリードリンクを頼み、まずはイチゴオレのボタンをポチっと押した。

…出てこない。焦る。押し損ねたのか？
まぁいいやと次はココアを選んで席へと戻ることとした。何だかなみなみと注つがれて座るまでが大変だった。

大体いつも何かしら考え事をしてしまうので、テキトーに呑みながら、なんかこのココア、イチゴの味しねーか？とか過よぎりながら飯を待ったり喰ったりしていた。

次にブレンドコーヒーを注そそぐときにはうっすらと湧わいていた ”ホントはもっと少ないんじゃないのか？一杯分”という疑念を確めるべくとっいった感じになっていた。

果たして、最初の溢あふれんばかりのときのと較べて明らかにその半分ほどで注つがれ終わった。

どうやら相当珍しい現象(おそらくイチゴオレとココアのブレンド)に出会くわしてしまったようだった。
ま、おいしかったから良いんだけど。

余話

「なみなみと」って書こうとしたとき、「波々と」って表記したかったのに「並並」ととしか出てこなかった。納得行かず調べてみたら並並で合っていた。マヂかー

今回のタイトル「否ひを出いだすに利あり」は、(易の)鼎卦ていかの初爻しょこうより。
鼎かなえの傾倒の失敗がかえって成功となる、の意。

鼎…食べ物を煮たり、祭りに用いたりする三本脚の器。