ポールマッカートニーによろしく

学生時代に友達とデパートの催事場の装飾のアルバイトをしていた。閉店前に入って、朝方に終わり、バイト代で呑んで帰るというパターンだった。そこで、バイト仲間で記憶に残ってる男がいる。背が高くて、いつも笑みを絶やさず愛想の良い奴で、仕事もそつなくこなし、ポール・マッカートニーやシルベスター・スターローンのように、眉毛が8時20分で目が垂れ目で少しとろーんとしていて、美男子だった。バンドをしていると言っていたがそのバンドは決して成功しないと根拠のない確信を僕と友人はしていた。あの確信は、どこから来たのか40年後の今も分からない。でも、あの時も言っていた、「ポール・マッカートニーによろしく」と。

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