クヨクヨしている弱メンタル 〜ある社の人間模様 3〜

P腹さん・・・二番目くらいに偉い集団のひとり。鷹山のことを知らず、鷹山の発言を自分のものにしている愚か者。得意技はP腹。

野暮天さん・・・三番目くらいに偉い集団のひとり。言うことは真面目で面白くないが、それなりに部下思い。PCに弱い。

未熟者・・・私。語り手。善人のつもりでいたけど、「悪質」認定された人。豆腐メンタル。

風間くん・・・年齢的にはちょっと下の同僚。生真面目。でも規則にはうるさい。アドリブが効かない。

羅さん・・・風間くんや未熟者の上司。ラオウのようなメンタル。人を詰めるのが得意。普段は比較的穏やか。酒豪。

朝、上司の羅さんに、昨日のことを相談した。気にすることはない、という返答だった。羅さんは、人を冷静に詰めるのが得意な方だが、この方から見ると、未熟者は弱メンタルに思えるようだ。羅さんには、気にならないものが、未熟者には気になるということに過ぎないようだ。

こんな羅さんも、かつてクレーム電話の応酬で、一時期休職していたことがある。だから、決して、生粋の強メンタルというわけではなく、正しさが自分の側にある時には絶対的な強メンタルになれるのだ。

未熟者は、正しさの客観性を信じることができない。未熟者にとって正しくあることも、他人から見ると正しくないかもしれない、という不安がある。そのため、今回も正しさがどうあろうと、自分がその立場だったらこういう気持ちになるだろうなあ、と相手に変に共感した結果、自分を自分で許せない気持ちになっている。

許せない自分も、許して欲しい自分も、同一人物である。その矛盾に引き裂かれているのが、おそらくは気落ちしているメカニズムである。

羅さんと後輩の風間くんと打ち合わせだったが、風間くんは自分がされた嫌なことは覚えている口だが、自分がしたことは覚えていないので、あまり私のモヤモヤに共感できないようだった。

風間くんは心理学を得意とする理系壮年で、クレヨンしんちゃんにいじられるような真面目さが似ているので、風間くんだ。羅さんは、ラオウのようなメンタルなので羅さん。

とりあえず羅さんには、実家に帰ると言って、午後有給を取りました。羅さんがそれ信じたかどうかは知りません。



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