やらかした者の後始末 ~ある社の人間模様 5~

毎日更新にこだわっているわけではないが、たくさん投稿できる日がありながら、一方で全くもって書く体力を奪われている日もあってムラがありすぎる。トータルでみれば、一日一回の投稿頻度があるにも拘わらず、毎日が潰えてしまうことには、遺憾としか言いようがない。

書く体力が奪われる日には、たいてい自分とは関係のないところで問題が起き、それを解決することに神経が忙殺される状況がある。この間も、そうだった。

P腹さん・・・二番目くらいに偉い集団のひとり。鷹山のことを知らず、鷹山の発言を自分のものにしている愚か者。得意技はP腹。

野暮天さん・・・三番目くらいに偉い集団のひとり。言うことは真面目で面白くないが、それなりに部下思い。PCに弱い。

未熟者・・・私。語り手。善人のつもりでいたけど、「悪質」認定された人。豆腐メンタル。

風間くん・・・年齢的にはちょっと下の同僚。生真面目。でも規則にはうるさい。アドリブが効かない。

羅さん・・・風間くんや未熟者の上司。ラオウのようなメンタル。人を詰めるのが得意。普段は比較的穏やか。酒豪。

しんちゃん・・・理屈屋で、不思議な人。風間くんをいつもやり込める。

上川さん・・・途中から入ってきた世話好き。アイデアは少ない。

飯山・・・正論が多い同期。妻はオタクのCA。対面が好き。

Fさん・・・羅さんにモラハラをしていた。しかし、病気でコロナ前に逝去した。

PTA殿・・・話のくどいおじさん。年功序列で偉くなった。バリバリ文系なので、未熟者とは相性が良い。かつて、一緒のプロジェクトで恩を売ったことがある。

やらかした人のやらかしを当事者同士で解決させると絶対に揉めるので、間に未熟者が入って、仲裁していないように見せかけて、仲裁するというアクロバットをやったりすると、たいてい疲れて頭が動かなくなる。

どういうことをやるのか。

やらかした人A、やらかされた人Bがいる。未熟者は、Aと関係が深く、Bとはほとんど関係がないが、それでも今後のことがあるのでBとはうまくやっていきたいと思っている。

私はだからBの上司C(PTA会長をしていたのでPTA殿)に、相談をする。「Aがこれこれをやらかしてしまったのだ」と。「多くはAに落ち度があるようだが、その落ち度を誘発したのはBのこうしたふるまいゆえだとAは思っているが、この誤解を我々が言い聞かせることなく解消させたい」と相談するのだ。

AはやらかしたのをBのせいだと思っていて、BはAのせいだと思っている。この平行線を、PTA殿と未熟者でうまくまげて、交わるように持っていく。両成敗の方向に当事者たちに悟られることなく導かねばならない。

未熟者はPTA殿に、Aの落ち度を述べ、まず謝罪する。その上で、トラブルを放置しておくと作業に関わるので、双方自分の落ち度を自覚させたうえで、解決させたいと申し出る。その際に、多少、恩に着ることも重要だ。

PTA殿はBに落ち度にあたるところを指摘し、一歩引いて考えるように促す。このときに、未熟者が、Bのことを一方的に責めるとPTA殿もそれをうのみにするので、最大限Bの意志や落ち度もミスとはせずちょっとした勘違いとして表現する。ミスを言い募ると、PTA殿にBの素行があらわになり、Bが怨念を抱く。

Bの素行の悪さはそのうちPTA殿がそれとなく理解して正せばいいことであって、今回はAをすくいつつ、Bもなだめる。とにかくAがBに下手に出つつ、Bも自分の落ち度を理解してAを赦す、そういう筋書きにしたい。

PTA殿は未熟者の意図を理解してくれて、Bのことを責めずに小さな素行を指摘するにとどめてくれたようだ。そこにAからBへの謝罪が入り、Aが逆切れないしは自己弁護をすることをとどまった(これは未熟者の指示である)こともあって、Bのプライドは保たれ、Aを赦す気になったようだ。

ここで未熟者が、Bが相談するだろう部署のDさんに対して、今回のAとBのトラブルについての報告と、それに関する未熟者の見解を伝えておき、かつその見解をBに「見せてもいい」としたことで、Bはよりプライドが維持されAを赦し、かつ、自分の落ち度を自覚することができた。

この流れを作ってくれたPTA殿に対して、未熟者は金曜日(明日・・・)に再度相談と、今後の展開についての確認をしにいき、Aは私に示唆されていないがごとく(実はAに私が様々に示唆していることは言っていない。あくまでAが自発的に行動しているようにPTA殿も理解している)、PTA殿に謝罪をしにいって、AとBが次に出会う3月2日以後にすべてがもとに戻ってうまくいけば、今回のミッションは終わりになる。

未熟者はある部署のDさんにどんなメールを送ったか。Bの誠意を未熟者は信じており、Bの判断に一任すると切々と訴えたのである。ただ、この時点で私はBの素行の悪さをある程度は把握しており、BがAを絶対に許さないとしたならば、PTA殿にそれらすべてを指摘しつつ、AとBが以後断絶しても、Bも同じだけの思いを抱かせよう、とは覚悟していた。

Bの苦しい立場もわかる、だからBがどんな判断を下しても、未熟者はBを信じることにするし、Bの今後をPTA殿と一緒に未熟者も考えようと思っている、しかしながら、未熟者はAの上司であり、Aの落ち度が意図的なものではなく、お互いの「勘違い」からくるものではないかと信じざるをえない悩ましい立場にいることを理解してほしい、とDさんに投げ、Dさんは、それを読んで状況を理解し、Bにそれを見せたかどうかはわからないが、その後、AにBから和解を示唆するような内容の(完全な和解ではまだないわけだが)メールを送ったことを、Aから聞いている。

Bが、和解を示唆するメールを送っていることは、PTA殿やDさんにも知らせ(この休日の間に)、明日、各所に頭を下げに行き、AとBの和解まで、じっと観察し続ける、ことを確認しようと思う。

人間関係は、どんなトラブルが起こるかわからない。お互いの落ち度の優劣など、点数化しようもない。そして、たいてい、お互いに相手のほうに否があると思いがちだ。

人間はプライドの動物である。プライドを尊重しつつ、それを損なわないように行動変容を促すには、実は知ることもないはずの別の人の本心を第三者から唐突に知らされて、心情にうったえかけられることもまた有効である。

陰口による離間の計の逆を、意図的に行ったパターンだが、うまくいけよー、と思って3月2日まで胃が痛い。

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