本・問題・ごっこ遊び ~ノートブック5 ある社の人間模様19~
社員に読ませたい本がある。その内容を簡潔にまとめろ、という指令が出た。
「それ、あんたがやったら?」という趣旨のことを謙譲語を使って話したんだけれども、「まとめるの早いだろ」と言われた。伝わらなかったのかもしれない。私の発言を転載しておく。
「まとめるのが早い」とかなんとかいう前に読まなければならない。読んで要点が何かを探さなければならない。それを適切に書き抜かなければならない。
「昔、ネットニュースに書評とか書いてただろ、その要領で」と言われたけど、読みたい本を《読んで、まとめて、伝える》のと、依頼された本を《読んで、まとめて、伝える》のとは、モチベーションが違うだろう。
なんてやつですか、と聞いたら、どうやら某ネット界の偉い人が推薦していた書物の中の一冊ということらしい。まあでも、読書することは悪くない、と思って引き受けた。
*
ウチは、通常業務にプラスで特殊業務をやらせたがる。こちらとして給料同じなのに特殊業務の負荷分が加わると、みんなやるのを嫌がるから、通常業務を少なくとも特殊業務の立案から実行のところまで免除して、それだけに集中させてあげればいいのにと思う。
したがって通常業務がおろそかになり、特殊業務も薄い味でやっつけになる。
*
『企業価値が飛躍的に向上する人的資本改革 プロフェッショナルマインドセット』(保木本正典)をアンリミで読む。勉強になった。
P腹さんの問題は、トップ含めの中枢的な会議で決まったことを下に下ろす下ろし方がうまくないのと、伝達の際に、自分の思いで、内容を歪めて伝えることにある。歪んで伝えられたことを忠実にやったら、トップ含めの会議で考えていたこととは全く違い、それで再度やり直しなんてことが発生するし、実はトップと直接話した方がわかりやすいということも起こってきた。
様々なビジネス本は、P腹さんの問題を言語化するために使おうと思った。
*
これを読んだ「会社ごっこ」だなあと思われる方もいるだろうが、実際社会なんて「ごっこ遊び」が多少真剣になったようなものだなあ、と思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?