がっかりする打ち合わせ 〜ある社の人間模様 4〜

あるプロジェクトのユニットを、社の方針で仕事がなくなり宙ぶらりんになったチーム(チーム如月)に引き渡したい、と考えている。

プロジェクト全体を渡すには、さすがに人数的には足りているとはいえ、経験と能力が不足している。だから、そのプロジェクトを4つのユニットに分けて、我々(チーム未熟者)が4分の3、そのチームが4分の1受け持つという形で、ことを進めたい。

ユニットA チーム如月
ユニットB〜D チーム未熟者

というイメージだ。

社会の状況に合わせて、A〜Dの中身を検討しなくてはならなくなったので、いっそ全部「投げる」案も浮上したのだが、それは上司(羅さん)がバランスの観点から、許可しないだろう。

このプロジェクト自体をやめる、という案もあったが、羅さんはこれがうまく行っているという認識なので、うまく行っているのになぜやめるのだという。うまく行っているかどうかは、実は各人の期待のありようにかかっている。もとからそのプロジェクトに期待をしていなかった人にしてみれば、まあまあうまくいってるじゃないとなる。

しかし、我々としては理想のようにはいかず、負担もかなり大きいので、やめるか、担当者を変えたいと常々思っていた。2015年にはじめて、2023年にたどり着いた。8年。やめるにしてもあと3年は続けるから案外長いプロジェクトになった。初期から一緒にやってる、風間くん、しんちゃん(風間くんの一年後輩だが風間くんがいつもやり込めている)、上川さん(途中から入った)も大変だったろうと思う。2015年に立ち上げたFさんは2018年に膵臓癌で亡くなった。

まあまあ、システムとしてはうまく回っていたが、それでもやはりコロナのこともあり考え直す必要に迫られてもいた。

P腹さん・・・二番目くらいに偉い集団のひとり。鷹山のことを知らず、鷹山の発言を自分のものにしている愚か者。得意技はP腹。

野暮天さん・・・三番目くらいに偉い集団のひとり。言うことは真面目で面白くないが、それなりに部下思い。PCに弱い。

未熟者・・・私。語り手。善人のつもりでいたけど、「悪質」認定された人。豆腐メンタル。

風間くん・・・年齢的にはちょっと下の同僚。生真面目。でも規則にはうるさい。アドリブが効かない。

羅さん・・・風間くんや未熟者の上司。ラオウのようなメンタル。人を詰めるのが得意。普段は比較的穏やか。酒豪。

しんちゃん・・・理屈屋で、不思議な人。風間くんをいつもやり込める。

上川さん・・・途中から入ってきた世話好き。アイデアは少ない。

飯山・・・正論が多い同期。妻はオタクのCA。対面が好き。
Fさん・・・羅さんにモラハラをしていた。しかし、


今回「チーム如月」に、プロジェクト全体を渡したいと主張したのは、上川さんと風間くんである。上川さんは、動議が多く、打ち合わせをしたがるが、アイデアを用意してこないので、ただの言いっぱなしの打ち合わせになることが多い。対面会議好きの飯山と一緒になって、勝手に日程を調整して、こちらに参加の打診をしてきた。

チーム未熟者も、風間くん、飯山、上川さんグループと未熟者としんちゃんグループに分かれている。で、今回その微妙にズレてるグループ同士が、プロジェクトの移管を巡って、打ち合わせを行うのである。

全体の方針としては、チーム如月への移管は達成したい。しかし、全体をそのまま「投げる」のは人の維持のためには避けるべきだ。だから、ユニットを四つに分ける。四つのうちの一つを移管するという点で、意見が一致した。

四つに分けるというが、どう分けるか。それぞれが完結したユニットにするにはどうしたらいいか、を誰も考えない。なので未熟者が案を出した。その案を今日は話すのだが、何を話すのかわからない。

移管のプロセスだろうと思う。つまり、どう円満に、そのユニットを引き受けてもらうか。その移管を羅さんにどう認めさせるかその2点のやり方だろう。

という話をするのだと思ったら、あにはからんや風間くんや上川さんが未熟者としんちゃんに対する要望をなんとなしに言う会だったとは。

がっかりである。

そんな小さな話の会だったか。

ハイハイ、やりますよ、ということだけ宣言したが、まあガス抜きかと、黙って聴いていた。

俺のガスはどうやって抜けばいいんだ。

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