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「日本民族の叙事詩 祖国を形づくるもの」西村眞悟著(展転社)/日本人は大東亜戦争の意味を再認識しなければならない。”昭和天皇と明治天皇そして乃木希典大将”

西村眞悟さん

平成九(1997)年に衆議院議員として、はじめて国会で拉致問題を取り上げ、同年腰の抜け続けていた政府をよそに尖閣列島魚釣島に国会議員として初上陸・視察を行ったのが、西村眞悟さんです。
その功績は、日本の歴史に応え得るものと私は思っています。

西村さんは、六期務めた衆議院議員時代から、数年ごとに日本の国家としての存在意義を問う著作を出版されてきました。国会議員としての実践と国家としての思想とも言える著述をともに行ってきたことに敬意を評さざるを得ないものがあります。
最新刊「日本民族の叙事詩 祖国を形づくるもの」(展転社)をこの11月に出版されました。

今回の著作も、日本民族の渾身の叙事詩を西村さんが私たちに贈ってくれています。

今回の著作のスジとなっているのは、一言で言えば、昭和天皇

先の大東亜戦争(太平洋戦争と言っているうちは歴史はわかりません)時の、昭和天皇の御事績を懇々と記しており、これこそがわが日本民族の一大叙事詩だということがわかります。
そして日本民族の決定的瞬間が訪れたのが、その終戦時です。
その終戦において、鈴木貫太郎総理、阿南惟幾陸軍大臣が昭和天皇とともに果たした役割は、日本通史の中で極めて重大であるということがわかります。そのことをこの本は余すところなく伝えてくれます。
私たちが、いまこの繁栄の中で仕合せに暮らしていけているのは、この三人がこのときにどう考え、どう発言し、どう行動したか、ということと不可分であるということです。またそれがわからなければ歴史を学んだことにならないと思います。

この極めて重要な、終戦時の様相については、時の書記官長(今の官房長官にあたります)であった迫水久常さんが書き残した記録に多くを依っています。以前の記事にも引用しましたが、改めて下記に引用します。

さらに付け加えますと、この終戦に関する最も深いこころの世界のことを懇切に語り掛けるように記してくれているのが、
長谷川三千子さんの傑作「神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午」です。
こちらも合わせてお読みいただくことをお薦めします。一層良く日本文明の核心に触れることができます。

昭和天皇、明治天皇そして乃木希典大将

そして、日本史の決定的瞬間であった終戦時というのは、まさに歴史のある時点にそのときだけに存在していたものではないということです。
過去ということでは、はっきりと言えるのは明治天皇と乃木希典大将との関わりだということを西村さんは語っています。

明治天皇は、もとより昭和天皇が幼い頃よりその御事績をいの一番に意識してきた祖父ということです。
だからこそ、昭和天皇は昭和二十一年正月の「新日本建設に関する詔書」(これを戦後昭和天皇の人間宣言としたのは左翼の工作であることは詔書を直接読めば明白です)において、明治の初めの「五か条の御誓文」を日本再生の核心として据えようとの呼びかけを国民にしたわけです。
そして、明治天皇が、皇孫裕仁(昭和天皇)小学校入学に際し、その教育者として乃木希典大将を学習院院長として命じたことが日本の運命を形づくることになります。
乃木大将は全身全霊を皇孫裕仁の教育に捧げます。そして明治天皇崩御とともに皇太子となった皇孫裕仁に最後のあいさつをした後、自害殉死を遂げます。

あの終戦という民族の興廃を左右する決定的瞬間を、鈴木貫太郎総理、阿南惟幾陸軍大臣と共に乗り切った昭和天皇は、戦後のインタビューで人格形成に最も影響を受けた人物として、乃木希典大将の名を挙げているのです。
ここに明治から繋がる時間の中に、昭和のあの終戦があったことが明らかになります。

乃木希典大将の事績については、司馬遼太郎の「坂の上の雲」によって不当に貶められてきました。これについては本ブログの下記をご覧ください。

終戦は今に繋がる/この当たり前のことが日本では、、、

いま、日本一般としては残念ながら、戦後教育や反日勢力による工作活動により、大東亜戦争の前と後で日本の歴史が分断されている状況です。
これは、必ず正されなければなりません。

それが典型的に現われているのが、いわゆる「日本国憲法」である、、、
そういうことを西村さんは理路整然と論述しています。

そして戦前と戦後の結節点にあるのが、まさに終戦時の日本であり、昭和天皇である、ということです。
ここに、今の課題として有るのが、終戦時だということであり、今との繋がりがはっきりと認識されます。

日本人は大東亜戦争の意味を再認識しなければならない

ここまで、私は意識して大東亜戦争の終戦時の様相を取り上げてきました。戦前あるいは大東亜戦争を学ぶとすればそこから学ぶことが適当だと思うからですが、おそらく西村さんもそう思ってこの本の構成を作ったものと思います。

終戦の様相を学び、そこから改めて学ばなければならないのが、大東亜戦争の意味です。
この意味を認識してこそ、改めて終戦の意味がはっきりとし、さらには今の日本がはっきりしてきます。
そのことについても、西村さんは記してくれていますので、
是非この「日本民族の叙事詩 祖国を形づくるもの」西村眞悟著(展転社)をご一読いただきたいと思います。





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