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「バフェットが日本に投資しているわけ」/現代ビジネスの記事は我田引水っぽいが、取り上げられることが何より重要。バフェットがその先に見てるのは?

さすがに国内メディアもバフェットがなぜ日本に投資してきているか、種々記事にするようになっています。今日6/21は現代ビジネスが記事を掲載していました。

この記事は、どうやら自著の宣伝のための記事のようで、記事自身はバフェットを引用して我田に水を引こうとするような記事ではありました。

しかし、こうやってバフェットの存在、投資手法、日本や日本経済、日本企業への認識がいろいろな形で世に認識され、日本の投資環境への理解が進むことは良いことだと思います。

上記記事にも触れられていますが、私が考える

「バフェットが日本に投資しているわけ」

を改めて記してみます。

1)バリュー株投資のバフェットですから、もちろんそのバリュー性の高い、確実に収益性の続く銘柄にしか投資はしないでしょう。その意味で4大商社株というものがあったということです。

2)米ドル、米国に絶対の信頼をし、地政学的経済安全保障リスクを考えないわけがないバフェットですから、日本の現状の地政学的経済安全保障環境を良好と見ていると言えます。

3)為替についてですが、これは上記記事に書いてあることとは私には思えません。つまり現状の円安を底に今後の中で円高が期待でき、それによる収益をも考慮してバフェットが投資している、といういものですが、これはそうとは思えません。
もちろん、バフェットが為替について考慮していないはずはありませんが、むしろ為替ヘッジをかけてどう動いても良いようにしている可能性の方が高いと思います。

4)為替というより、為替に依存しない高い収益力を有するグローバル企業に投資していると見るべきなのではないかと思います。
そう理解すれば、4大商社に投資すると言うのも頷けます。

次に投資してくる日本企業は?

これまでの分析をするのは、今後を占うと言うことです。
バフェットが4大商社株に投資してきているのは、主に4)の日本株の中で為替に依存しない高い収益力を継続的に有する割安バリュー企業だったからということになると思います。

という意味で、今後の投資先を見れば良さそうだということかと思います。

現今、このような形で日本株が日経平均で3万円超え、現時点で3万3500円を超える活況を呈しているのは、一つは円安による好況効果だろうと思います。そして、経済安全保障環境の有利さが挙げられます。さらに私がポイントであると考えるのは、インフレパラダイムへの転換が有ったことです。

このような観点で、グローバル企業でバリュー性が高く収益が継続的に期待できる企業、このような企業をピックアップしていくことが重要と思います。
これは、本コラムでバリュー株投資の勧めということで繰り返し述べてきましたので、読者の方々にはお分かりの方も多いかもしれません。

さらに、付け加えると、日銀の異次元金融緩和はこの先大きなスタンス変更はないと思いますが、インフレ定着という現実が現れてきて、賃上げとの善循環が期待できる環境になれば、いずれ金融正常化はやってくることは間違いありません。
そうすると、これまで取り残されてきた金融株などはPBRが低い銘柄が多く、バフェットが目をつけてくる可能性があるかもしれません。

さて、具体的な銘柄において先を読むことはこれは難しいことですが、自分自身が得意な業界、企業の中でそういう投資先企業に目当てをつけていくということも常道です。

個人投資家の皆さんの一層の健闘をお祈りします。



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