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「みずほ唐鎌大輔氏の来年為替予想:やはりなかなか納得です」/今年は、125-145円のレンジで動く時代の始まりだと

年昨23年を通して、ドル円の妥当な論説を展開したみずほの唐鎌氏

昨年の為替については、一貫してみずほの唐鎌氏が妥当な論説を展開していました。
ほとんどのアナリストが一昨年末から昨年初め、130円を割ってきた為替についてさらに円高が進む、円安の終わり論的な予想をしていました。
その中で、唐鎌氏は、貿易黒字体制の無い日本の為替の基本構造を明らかにし、経済情勢及び金融政策を踏まえて、円安の年であるとの予想を披歴し続けました。結果はまさに皆さんご覧の通りの円安でした。

貿易黒字無きに日本になった理由

ちなみに、この貿易黒字体制の無くなった理由ですが、
本当に残念なことですが、2009年から2012年の、あの悪夢の民主党政権の無策によって、日本の製造業の輸出体制が壊され、最後の雇用の輸出が行われたことによって、日本の貿易黒字構造が崩壊しました。そして、為替の基盤構造が変化したのでした。
このことにより、以後その基本構造が定着し、為替を左右する貿易黒字なき日本が到来しました。

今年の唐鎌氏の為替予想

詳細は、下記のロイター記事をお読みいただけばわかると思いますが、

結論として、
「金利と需給、双方の要因に照らして円安局面はいったん小康状態に入る可能性が高い。しかし、『円安ピークアウト』と『円高の再来』は同義ではなく、あくまで『円高は不可避だが、深刻ではない』が基本だろう。」
と述べています。
これは、昨日三菱UFJの植野大作氏の記事を引用して論じた下記記事とその趣旨を同じうします。

その内容は基本的に植野氏と同様だが、ゼロ金利解除が逆に材料出尽くしで円安要因と、、、

唐鎌氏の論説の内容的には、基本的に植野氏と同様です。
即ち日米の金融政策の逆巻きから金利差が縮小する、しかし、その逆巻きは貿易黒字体制の無くなった2012年以降何回か起きており、そのいずれも大きく円高に振れたことが無い、と裏付けています。

また、興味深かったのは、ゼロ金利解除後、日銀が再利上げはしないことから円の見切り売りリスク、すなわち円安への逆回転を言っていることです。
確かにこれはあるかもしれません。

結論、そのレンジは、 125円~145円

唐鎌氏は、その結論として、今後、米欧と日本の金融政策の相違及び為替のファンダメンタルズから、今年からの為替動向は新たなレンジ形勢が始まる、と言っています。
すなわち、
「FRBが利下げに転じるとしても「過度な円安」が「穏当な円安」になる程度の認識で良いだろう。ドル/円相場の主戦場が「100─120円」から「120─140円」ないし「125─145円」にシフトしており、その中で円安や円高を語る時代に入った。
2024年はそうしたパラダイムチェンジを確認する1年になるのではないか。」
念のため、120-140円と挙げておいて、125ー140円と言っていますが、本音は後者の125ー145円だろうと私は思います。

昨日の植野氏、本日の唐鎌氏の予想が合理的だと思うが、、、

さて、今年の為替ですが、植野氏、唐鎌氏の予想通りになるか、もちろん神のみぞ知るということですが、
現在見通し得る限り、米大統領選挙の年ということもあり、米国の政策が景気を良くなる方向で制御されるであろうこと、そのため円に関しては大きな政策変更は見通しにくいこと、などから考えて、この予想が当たりそうな気がします。

来年は新大統領、日本も政局がかなり動きそうですので、大きな動きがありそうですが、今年については、秋から年末にかけて、日本の政局が大きく動かなければ、特にこの予想が当たるような気がしています。

さてどうなるか?

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