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「こわいもの知らずの病理学講義」(仲野徹著、晶文社)のすすめ

 これも他分野、特に物理、化学の研究者技術者向けの病理学読本のおすすめです。

 著者の仲野先生は、大阪大学病理学教授(現在は名誉教授)ですが、一般読者向けに非常に親しみやすく書かれています。この方は非常に博学でいわゆる教養学、リベラルアーツを十分深めておられる方だと思います。そういう意味で読み物としての面白さが有ります。

 読んでいただければわかりますが、専門家としてもちろん優れた方である一方、一般的にはどれほどの意味があるのかと言った視点を常に意識して書かれて、門外漢にも興味深く読めるように書いてくれています。

 そして時折内容から外れて飛ばす仲野先生のオヤジギャグは、こんなえらい先生で大阪人のわりにお笑いのレベルはさほどでもなく、それが返って親しみを倍増します。


 実際仲野先生は実際この種の一般読者向けの書物をいくつも書かれています。また、現在も「民間医局DOCTOR'S MAGAZINE」(株式会社メディカル・プリンシプル社)という医学生から研修医向けの雑誌にも継続してコラム連載(2022年7月現在は「押し売り書店”仲野堂”」)され好評を博しているようです(私も毎月欠かさず読んでいます)。

 一つ付け加えると、この「こわいもの知らずの病理学講義」は、病理学教科書の基礎の基礎と面白い単元を選択して紹介されていますので病理学全般を学びたい方はそれこそ教科書を読む必要があります。

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