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「日銀総裁の会見要旨」、「国際金融筋の投資戦略」

一昨日7/21〈木)、昨日7/22(金)の日経掲載の二つの記事に関連してコメントしたい。

1)一つは「日銀総裁の会見要旨「国債買い入れ増は一時的」」だ。

黒田さんの会見の一つ一つは非常に明確で、

・現状の金融政策は変えない、

・原油や食料価格の上昇による物価影響は短期的に和らぎ中期的に予想物価上昇率と賃金上昇率とともに緩やかに拡大する、

・日本経済はデフレのイナーシャから脱しておらず賃金上昇しにくい、

・賃金上昇によってデフレから緩やかなインフレに向かう、

・欧米のインフレも軟着陸の蓋然性が有る、

・為替に注視は必要だが円独歩安ではなくドルの独歩高の状況である、

等、非常に重要なことを分かり易く発信しており、信頼するに足ると思われる。まさに金融政策を変える必要性は全くないと思う。

私が、今回の会見でポイントとしたいのは、

欧米のインフレがリセッションへ落ちていくリスクはさほど大きくないという点と、

日本経済にとって、賃上げが不可欠の必要条件になっている、という点だ。

この認識を政府や各企業の経営者、労働組合関係者は是非共有してもらい、日本経済の再生へと向けて動いてもらいたい。それらの方々にとって、当然やることは上記会見要旨にあまりにも明瞭だと思う。


2)さて次に、注目は、国際金融筋の「プロが直言 「骨太の方針」のインパクトと年後半の投資戦略」だ。

ピクテの日本法人ストラテジストの糸島孝俊氏による本年22年後半の投資戦略を特に述べている記事になる。

・現状の欧米のリセッションリスクを意外に低く1割程度と見積もっているところが一つのポイントである。これはここ2週間ほどの国際金融筋の情報とよく一致しており、本欄ブログで述べたことも参考にしていただきたいが、年初から下落しウクライナ戦争でさらに下振れした相場状況についてある程度先が見えてきたとの認識が形成されつつあることのサインと思う。個人投資家諸氏には良く良く認識してご検討願いたい。

・さらに気になったのは、最後にグローバリズムの流れが逆転し世界分断(ナショナリズム)の時代に突入したとして、それに応じた投資戦略を立て直すべきだと言っていることだ。ピクテはスイスの歴史ある国際金融筋であり、糸島氏個人の判断としても、そこがグローバリズムの逆転と判断していることは非常に興味深い。

ここで重要なのは、やはり後者の国際金融筋(ディープステイト)が今後の世界をグローバリズムからナショナリズムの間のどこを落としどころにするかという点であり、日本の将来を大きく左右するものだろうことだ。こういう情報には有意の国民諸氏も是非敏感になってもらいたいと思う。



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