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「金融情勢について」

 株式市場は日米欧とも先週末(6/17)に比べ今週に入り多少の落ち着きを取り戻したように見える。

 米欧のインフレと株式のジレンマの苦しい中で金融政策を進めるFRBや欧州当局にしてみれば、日銀が変わることなく大幅な金融緩和を継続してくれているのはこれほどありがたいことはないのではないか。世界中のマネーが自由に行き来する現在、そのマネーの供給が細っている中、日銀マネーにより米欧の株式市場が支えられていると言って過言でないと言える。これが継続的な円安の構造にもなっている。

 さて、多少の落ち着きを取り戻したといっても、今後も先週のような下落に見舞われ続けることにはなるであろう。これまでも言ってきたようにインフレがこの急激な利上げにもかかわらず止まらないのだから、FRBのような金融当局にとっては厳しい利上げを継続するしかなく、インフレに落ち着きがしっかりと見えてこないとニューヨーク株の上昇はとても望めたものではない。この間、日本の幼気な個人投資家をさんざん調子に乗せて米国株に投資させてきた金融機関やアナリスト等々にはどうこの状況を糊塗するのであろうか?

 また、こういう状況であるから、株式よりももっと暴落し、これからも暴落し続けるだろうと思われるのは、仮想通貨である。株式については、FRBはさすがに暴落を起こして混乱させても何のメリットも無く適当な線で収めようとする。現にそのせめぎ合いの苦渋が昨年末からずっと現れており、これはそういうものであろう。しかし、仮想通貨については、FRBはじめ金融当局はどちらかといえば敵とみなす側にはいる金融手段であるため、暴落してインフレ抑制に効いてくれればよいと思っているくらいではないか。

 ウクライナ戦争もこの金融の世界情勢に関係している。米国から多額かつ多量の兵器輸出が行われており、実産業である軍産複合体は潤い続けている。また、ロシア原油の禁輸措置は原油高騰を今後も中期的に継続することが確実である。実はこれはロシアにとっても良いことであるが、最も潤うのはシェアオイルを膨大に所持する米国であり、今シェアオイルに対する投資が盛んに行われているはずであり、これも実態経済を潤していく。これら米国の実体経済が潤っていくのは、バブルとなっていたウォール街の金融マネーを大暴落から回避する時間稼ぎとなっている可能性がある。

 少しうがち過ぎたきらいはあるかもしれないが、こんな世界金融情勢の描像が真をついていそうな気がするのだが、、、、

 

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