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「パウエルFRB議長12/1発言、抑えは効かせているが基本は市場を追認。米国景気後退とインフレのせめぎ合いをうまく出来ると自信の発言も市場を喜ばせている」

12/1パウエル議長発言

12/1米国パウエルFRB議長の発言に関する報道が有りました。

ロイター、日経共に、パウエル議長発言について、市場の認識を追認しているポジティブなものとして報道しているようです。
インフレとの闘いに勝利しつつある、利下げをうんぬんするは時機尚早、高利率で景気を減速するリスクと低利率でインフレを抑制できないリスクが「均衡している」といって課題の難しさを言っています。
ただ、発言全体を見ると裏ではそれに成功しつつあるとの自信も明らかにしています。
そして、ソフトランディングしつつインフレ抑制を達成するため、データに基づいて適切な政策運営をするとも言っています。

米国金融政策当局の優れた運営

このように見てきますと、米国金融政策運営当局FRBは実に巧みに政策運営を実行しているように思います。
トキはまさに、米国の大消費シーズンです。
パウエルFRB議長は、
「個人消費は『驚くほど力強い』、『失業率が低水準にあり、雇用が高水準にあり、賃金がインフレ率以上に上昇している限り、消費支出が現在の水準を維持できない理由はない』」
と語っています。
もちろん、雇用と賃金は消費を左右しますが、米国においては株価が最も消費に影響するはずです。
まさにこのトキにあたり、11月の株価上昇で株価は過去最高値に近い状況となっています。
米国経済は10-12月期経済成長率は、7-9月期の反動であまり良くないのではないかと予想されていましたが、おそらくそんなことは無いでしょう。結構いいところに着地しそうな気がします。
まさに、優れて巧みな政策運営だと思います。

さて日本は?

さて、日本ですが、このような米国の影響を受けて、早速今週末の為替が1ドル146円台と円高が昂進しました。
日米の金利差が縮小に向かいますので、今後もこのようなある程度の円高はあるように思います。
ただ、為替に関する日本の円安の構造的変化があることを考えますとこれまでも本コラムで繰り返し述べていますように、円高に大きく振れることはないと思います。
そして、黒田前総裁の功績も大きいと思いますが何より日本の金融政策の賦フリーハンドもかなり大きいものになっています。既に長期金利は実質利上げを繰り返してきており1%に近く、過度の円高には歯止めが効きます。こういう状況はこれまで20年あまりないことでした。
日本の場合に、為替によって経済の基本が大きく影響を受けることから、このようにある程度の円安が続いていく中であれば、経済金融環境も悪くはないと言えると思います。

潮流の変化点に来ていますが、米国金融経済は良さそうで日本も舵取りをしっかりできれば良い方向

短期的な市場動向としては、様々な要因により上下することはあるとは思いますが、
来年に向けて米国が大統領選挙の年ということ、それに向けて良い年末の情勢であること等を考えますと、日本の来年の情勢についても有る程度良い目が出てきつつあるのではないか、と思います。



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