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「BSテ東 『男はつらいよ』第五作『男はつらいよ 望郷編』」

この第五作「男はつらいよ 望郷編」も、さきほど記事にさせていただいた「柴又慕情」を見て思い出しましたが、残酷な判決を受けるつらい寅さんの作品です。

初期の作品だけに、まだ寅は堅気に戻ることをあきらめようとしていません。真面目に堅気の仕事をしようと一生懸命になります。
いろいろ、まさにドタバタを繰り返して行きついた先の浦安の豆腐屋さん。そこには、豆腐屋を営む母と勤めに出る娘(マドンナ長山藍子)がいました。
(フジテレビで始まったTVドラマ「男はつらいよ」では、長山藍子がさくらを演じていました(いまに映像が残っていないようですが)。)

ようやくたどり着いた堅気の職でした。堅気の職にきちんと着くという、この設定は寅さんで極めて珍しい設定です。
母と娘にも感謝され、毎日を一生懸命に生きる、寅。
素晴らしい!

しかし、仕合せは長く続かない。寅さんにとってこんなに真面目に仕事をして母と娘に尽くしたにも関わらず、、、、、
ある夜、長山藍子が白地に黒の水玉のワンピースを着て帰って来て、寅に言うには、
「寅さん、ずっとウチに居て、豆腐屋さん続けてくれるの?」
(こんなセリフだったと思います)
綺麗な娘にこんなこと言われて、心暖まらない男はいません。
しかし、これって、女性の狡さだったんですねえ、、、、、井川久佐志演じる国鉄職員と結婚するため豆腐屋の実家を離れる娘は母を心配して、寅さんにお願いするという、、、、なんと残酷なことをここでも女性は言うんでしょうか。
女性は怖い、、、「男はつらいよ」です・・・・

私はこのシーンが忘れられません。
水玉のワンピースを着た長山藍子。
水玉のワンピースは私の胸の奥の恋心にとどめを刺す服です。

私が胸をかきむしるように諦めた美しい女性への思慕を想い出させ、寅の気持ちへの二重の思い入れに昇華していきました。




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