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「11/2のFOMC後  識者、メディアの反応を見て」/やはりしばらくはこの金融情勢は繰り返すのではないか

ここまでは予想通りの展開

11/2のFOMCが0.75%だったこと、今後の利上げについては0.50%の可能性もほのめかしつつ、想定する最終到達金利は高まったかもしれないとの趣旨のタカ派的発言もあった。
下記記事で予想した通り、ニューヨークダウ、ナスダックや日経までも下げ相場となった。

しかし、その後の雇用指数発表、FRB関係者や国際金融スジの発言などで週末は若干の戻り相場となったようだ。

今後に対する見通し

その後メディアや識者の発言を一通り読んでみた。
パウエル氏の発言の内容を子細に読んでみた後で、メディア及び識者の発言はあまり目新しい内容は無いように感じた。
パウエル議長発言後、私がコメントした内容に関して訂正する必要はないと思う。
即ち、今後も3月以来繰り返してきた、特に6月以来繰り返してきた金融情勢に大きな変化はなく、インフレ収束と利上げ継続のジレンマの中でこれまで通りの相場の上下を繰り返していくのではないか、と思われる。

メディア、識者の発言

参考までに識者、メディアの発言を以下、引用しておく。

いつも引用している豊島逸夫さんのコラムだが、「インフレとの激闘、後半戦へ」と言う中で、今後の利上げ幅は0.75%の三倍速から減速し、「より高く、より長く」で最終到達する金利が市場の予想を上回る事態が危惧される。多少悲観調だが、為替については日銀の介入があるのでさほどの円安は予想していない。

同じ日経でも、下記記事は悲観だが逆にFRBの配慮期待という点で楽観シナリオがほの見える。

米国の利上げで世界経済が悲鳴を上げており、そこが崩れれば米SMBC国の景気の折れ具合も厳しいものにならざるを得ない、従ってFRBはタカ派基調の手を緩めるかもしれない、という感じさえ受ける。

また、ロイターには、SMBC信託銀行、野村アセットマネージメント、SBI証券、りそなホールディングスのアナリストが発言している。

SMBCは先行きの不透明さを悲観し、言っていることは目先のことがメインで悲観。野村アセットは、やはり野村という感じで来年には金利安定化の楽観シナリオをイケイケ調で論説。SBI証券は、ただ不透明な先行きに対して、為替はドル高、円は介入あるので今のレンジで。

以上、それぞれのご意見はそれらしい感じはする、ということ。

最後に

最後に、こういう先行きの見えない中ではあるが、あえてその先について当たらぬも八卦というくらいの感覚で少し述べてみる。

さて、インフレだが、トルコのような国は別として、米国や欧州主要国、日本は全体としてよほどのことがない限り、インフレが昂進していくということはないだろう。
もちろんウクライナ情勢によって原油相場が高騰したりしたら話は違ってくるが、あとは気になるのは米国の労働市場である。かなり高圧状態であることは間違いなく、それは消費と濃厚に関係している。株価が高くなれば消費が上がり、インフレに、特に賃金に圧力がかかる。そういう意味でもFRBは株価に特別の注視をしている。
株価は二重の意味で中止されているわけである。
だから、株価にこそ注目すべきということになる。

FRB関係者、国際金融スジが制御しようとしている株価なのであるから、上がるなあ、と思えばリスク発言し、さがっちゃったなあ、とみれば楽観発言をしているというのが良くわかると思う。

米国の消費、すなわち経済は、株価の従属関数であるが、日本経済は、雇用と賃金であり、株価は必要条件であろうと思う。
そういう意味で、ニューヨークは来年再来年にかけてせめぎ合いが続く可能性が高い。一方日本は、円安定着と国際政治情勢の米中対立による経済安全保障政策の進展による国内生産性向上投資とそれに伴う賃上げが進んでいくに応じた形で上昇していく可能性が高い。
その意味で、米国労働市場の高圧状態は日本に追い風だ。この高圧の風はいずれ日本にも上陸することは間違いない。

以上、日本経済再生について中長期的楽観を主張する所以である。


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