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「揺れ動く市場心理、JPモルガンCEO6-9か月後に米景気後退もと発言、FRB副議長はネガティブスパイラルに待ったをかけた」

9月のFOMC以来、市場参加者、前にも言ったがとくにリーマン以来の投資家のうろたえは大きなものがあるようだ。

昨日10/10からの市場の様相

そしてこれまで意外に強くの発言が目立ったJPモルガンの人間による悲観発言が飛び出した。

インフレが始まり、ウクライナ危機で昂進する現状を「非常に深刻な事態だ」と言い、景気後退に追い込まれる可能性があると語っている。そしてFRBの金融政策を遅れ気味だったとし、ようやく現状に追いついてきたが、成功を祈り見守るしかない、とまで弱気の発言である。
これまでモルガン系は比較的強気の発言で有名だっただけに、どうもこの発言で10/7に大きく値を下げた市場は昨日10/10も一層動揺し大きく下げたらしい。

昨日のニューヨーク市場の状況は、上記豊島逸夫氏のコラムに詳しい。
JPモルガンダイモンCEOの弱気発言に大きく値を下げた市場が、救われたのはFRBのブレイナード副議長発言が市場に流れ、株価が切り返すキッカケを作ったからのようである。
ブレイナード副議長は、
1)10/7発表の雇用統計の解釈として、リストラの痛みを最小限にとどめつつ、インフレ率を下げるという「リバランス」の兆候がみられる、
・新規雇用者数増加が前月の31万5000人から26万3000人に「スローダウン」した
・7月から8月にかけて、求人件数が約110万人も急減した
・失業者1人当たりの求人件数は1.7件にまで下落した
2)平均時給の伸びも、四半期ベースでみれば4.6%から4.4%まで減速した。
等として、タカ派からハト派色を少し打ち出したところが市場に好感されたらしい。
それにより、大きな下げ相場は戻し、結局ダウは93ドル安で終えた。

今後の相場

以上が先週末のニューヨークの大きな下落、そして昨日の動きであった。
そして、今日の日経は、先週末からのセンチメントを反映して大幅下落となった。

毎日のように市場のマクロ情報を見てきているが、5月、6月から大きな状況や認識に変化があるわけではない。
米国のインフレと利上げのジレンマの先行き明瞭化がいつ出て来るのか、ということが主眼となっていることは変わらない。
スタグフレーションが昂進するのか、治まるのかといったことである。

こういう状況下で、せめぎ合っているのが実情で、大きく相場下落を招来するということはFRBが望むところではなく、ウクライナ戦争や米中冷戦のなかで軍産複合体やオイルマネーの実需による景気リカバリーが進んでいる。
特に日本はこの状況下の立ち位置としては決して悪くないし、チャンスさえ到来していると言ってよい。

基本日米のバリュー株は、値を落とせば買い相場と言える状況は変割っていないと思う。



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