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『正義と腐敗と文科の時代』(貴志社)渡部昇一著 /昭和49(1974)~52(1977)年のエッセイ群の復刻版です、まさに人間学の宝庫、賢人渡部昇一の真骨頂

『正義と腐敗と文科の時代』(貴志社)渡部昇一著

現代の賢人、読書家中の読書家、、、、なんと形容したらよいのか、まったく私では表現しようがありませんが、その渡部昇一さんの昭和49(1974)~52(1977)年のエッセイ群の復刻版が出版され、一気に読み通しましたのでご紹介します。

世の中でとりわけ重要なことは、パラドックスの形で現れる

世の中でとりわけ重要なことはパラドックス(逆説)の形で現れる、ということを渡部昇一さんはエッセイや論説の中で繰り返しおっしゃられています。
その嚆矢が、この初期のエッセイ群に本質的な形で現れています。

『腐敗の効用』の中では「正義と腐敗と」ではもちろん、腐敗の方がましなどころか、よっぽどよい。
『文科の時代』では、実益という意味で「理科」の方がよっぽど良くみえるが皆が皆そうなるほど総合的な視点を持つ文科はすたれない。
等々、、、、

渡部昇一さんの論説は、
いつまでたっても、現在もなお、というより現在も将来も、薄っぺらいマスメディアの論調や、
イデオロギーのみを信望した単純バカのパヨクなどとは比べるのも憚られるますが、
遥かに遠い人間性の深い洞察に満ち満ちていて、
読めば人間として生きている真の喜びや哀しみを噛み締めることのできるものだと、
この本を読み直してみて改めて思います。

渡部昇一さんの長女が前書きを、あの谷沢永一さんが解説2本を

渡部昇一さんの長女が前書きを、あの谷沢永一さんが解説2本も掲載されています。
このことだけでもファンにとっては購読の価値が大ありです。

栴檀は双葉より芳し、などとは、渡部さんに失礼かもしれませんが、
初期のエッセイにその後の野太い論評、執筆活動の本質が顕われていて、若い方々の渡部昇一入門書としてもとても優れた復刻本になっています。

是非ご一読ください。


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