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「日銀の金融政策の変更」/なかなかしたたかでいいじゃないか・・・為替も意外に動かず、株も終値ではさして下げず、今日の市場がその良さを裏打ちしている。

日銀の金融政策変更、なかなか良いと思う

本日7/28(金)の日銀の金融政策の変更については、日経やロイターの記事が十分にその内容を紹介しています。私はこの変更はよう良いものではないかと思います。

金融緩和は変化なく継続、が重要

今回の日銀の金融政策変更は、長期国債の上限金利を0.50%から1.00%まで広げ、機動的に市場の情勢に対応するというものです。実質利上げではありますが建前はそうではなく、緩和政策の実質は維持し引き締めではないということで、当然のことながら、従来からの金融緩和姿勢に変化はないということが重要です。

物価や為替の情勢変化、大きなボラティリティーによる副作用を未然に防止/したたかな政策変更

その上で、情勢の変化に対する金融緩和の持続性を高め、物価や為替の大きなボラティリティーを未然に抑止し、情勢の変化に迅速に対応できる素地を作っておくことで金融政策変更の遅延の副作用を防止するため、と言っています。
これは、狙いを明確にしていて、かつ、金融緩和を前提とすることで、日本の経済の再構築を第一にした、非常にしたたかな金融政策変更だと思います。
つまり、金融政策のフリーハンドを広げることで日本経済、物価と雇用を守るぞ、という強い意志の現れと言って良いでしょう。

本日7/28の市場が、その良さを表現しているのではないか

実際に今日7/28の日本市場がその良さを十分表現しているように思います。

株式市場は、朝方400円以上も下落し32、400円くらいになり、さらに午後一には3万2千円ちょうど近辺まで大幅に下落しましたが、日銀植田総裁の真意が伝わり始めると値を戻し、終盤は大きく上げていき、結局前日比100円程度の下げの32、759円にとどまりました。

為替も、午後一で1ドル138円を切ろうとしましたが、同様に139円半ばで午後から現在の段階では推移しています。

黒田日銀の12月の金融政策変更がベースになっている

この植田日銀の今回の金融政策変更ですが、もともとは昨年12月末の前黒田日銀総裁による金融政策変更と全く同じ手法によるものと言ってよいと思います。
昨年末、黒田総裁が長期国債の金利を上限0.50%に上げるとした金融政策はまさにサプライズでその後1ドル130円を切るような円高まで進み、株価も26,000円を切るレベルまで下げました。2013年以来絶えて無かった実質利上げであったからです。
私もこれは悪手だと思いました。

しかし、その後の日本経済、日本の金融政策、あるいは植田日銀にとっては、優れてビッグなプレゼントだったということなのだと思います。
この手で、金融政策の大きなフリーハンドを使えることができて、物価や為替、賃金、雇用に良い影響を与えることができる、少なくとも当面は問題なくそういうことが行える素地ができたのだからです。

日銀の金融政策面からも、日本経済、日本市場は中長期的にポジティブ

これでしばらく、金融政策面からは、日本経済、日本市場の中長期的な見通しは”しっかり”だと言えるのではないか、と思います。

個人投資家の皆さんには、このチャンスを生かして、投資活動を進めていかれますよう、お祈りしております。






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