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抗がん剤各論~微小管阻害薬~

微小管

二重らせん構造をとっているDNAだが非常に長いため、普段は特殊なたんぱく質を中心に固まっている。この固まった状態を染色体と呼び、必要な時に必要な場所だけが緩んで、少しだけほどける仕組みになっている。細胞分裂時、この染色体を2つに分ける働きをするのが微小管である。

種類

細胞分裂には、①微小管が伸びて染色体と一体になった「紡錘体」と呼ばれる構造を形成する時期と、②紡錘体が分裂して微小管が切れ(=脱重合)、2つに分かれる時期がある。前半で、チューブリン(微小管を構成するタンパク)が重合して微小管となるのを阻害するビンカアルカロイドと、微小管の脱重合を阻害して異常な形のチューブリンを形成するタキサンに大別される。異常な形のチューブリンは微小管形成時に取り込まれ、異常な微小管が形成されることで正常な有糸分裂を阻害し、抗腫瘍活性を示す。
タキサン系:パクリタキセル、ドセタキセル
・ビンカルカロイド:ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン

副作用

骨髄抑制や末梢神経障害が見られやすい。
またパクリタキセルは関節痛や筋肉痛を起こしやすいという特徴がある。

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