吐き気止め~メトクロプラミド~

吐き気ってなんだろう。
胃腸炎や食あたり等、原因が分かりやすいものもあるけれど、なんとなく気持ち悪いという症状に悩んでいる人もいる。
外来を受診される方の中にも、似た症状を訴える人がおり、胃カメラやCTなどの検査をしても原因が分からないこともある。そんな時、とりあえず吐き気を抑えるのに使う薬として多いのが、メトクロプラミド(プリンペラン®)である。

吐き気の原因

「気持ち悪さ」を起こす原因は多岐にわたる。胃や腸の不調から来るものが多いが、脳に異常がある場合や、血液中の電解質(ナトリウム等)に原因がある場合もある。調べても何にも異常がない場合、過度なストレスが原因となっていることもある。

吐き気止めが効く理由

上に書いたメトクロプラミド(プリンペラン®)は昔から使われている吐き気止めだが、どこに作用するか?簡単に言うと消化管と脳である。

以下はプリンペラン®のインタビューフォームからの引用である。
『化学受容体引き金帯(CTZ)のドパミン D2 受容体を遮断することにより制吐作用を示す。更に、セロトニン 5-HT3 受容体遮断作用の関与や 5-HT4 受容体刺激作用による消化管運動亢進作用も示唆されている』

つまり、①弱った胃腸の運動を高めて消化器機能の異常を改善する、②延髄にある嘔吐中枢を遮断する。この2点で吐き気を抑えているのだ。

使いすぎには注意

このメトクロプラミド(プリンペラン®)は効果が高く、使いやすい薬なのでよく処方される。ただし、長期間服用すると、手の震えなどの副作用が出る。あくまで症状を緩和するものであり、吐き気の原因を取り除くものではないことに注意しながら使っていく必要がある。

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