短歌についての脳漏れ

眠れない。今日から鬼の8連勤が待ち受けているというのに。こんなことしている場合じゃないんだけど、「こんなことしてる場合じゃない」時こそ「こんなこと」をしたくなる。なんか名前あったよねこの現象。理由付けハンディキャップみたいな……。
私は10年前のネットラジオ「オールナイト虚無」に今更沼落ちしてしまったのだが、そこの投稿皆勤者、木下龍也氏の短歌が狂おしいほどに好きだ。普段いいな〜と思っても本は買わない私が歌集を買ってしまったくらい好きだ。普段しないことをする。
木下氏の短歌は沼落ちより前に目にしていた。が、木下氏と認識はしていなかった。
Twitterで流れてきた「愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる」に感動しすぎて誇張抜きで涙が出た。当方犬飼いである。
虚無ラジに投稿されていたものも面白く、何度か笑いすぎて腹の汗疹のかきこわしでできた傷が開いた。すげぇ、笑いすぎて腹ちぎれるって本当にあるんだと思った。
「刺すね  でもあなたの生きる場所がここではなく僕の中になるだけ」と「絶望もしばらく抱いてやればふと弱みを見せる  その隙に刺せ」がぶんぬきで好きです。加害の方向性が主に刺すなのがとてもいい。木下氏によって生かされています。
あとは今度歌集を買いたい、絶対に買うと思っている谷川電話氏。現代短歌の巨匠だと思っている。
「花を持つ君の手首の血管が根っこに見えて、だめだ、好きです」がほの甘酸っぱ苦くてめちゃくちゃ好き。希釈されたグレープフルーツの味がする短歌。
あとは穂村弘氏は綺麗で好き。
「可能性。すべての恋は恋の死へ一直線に落ちてゆくこと」
自由律俳句になっちゃうけど、尾崎放哉の「花火が上がる空の方が町だよ」は優しい。そんなこと教えて貰ったら未来永劫好きになる。
あと「顔じゅうにスパンコールを鏤めて破産するまで月への電話」「お砂糖がちょっと焦げたらカラメルで、夜で、絶望的で、弱火で」「神様を殺して僕の神様にどうか貴方がなってください」「フライ追うように走って  しあわせだ、しあわせだって退路を断って」あたりは詠んだ人を覚えていない(失礼)けど好き。


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