最新技術×teamLab
はじめに
みなさんはチームラボの作品を見に実際に足を運んだこと、また、SNSやテレビ番組を通して作品を見たことがありますか?きっと、一度は画面を通してでもあの非現実的で美しい空間を目にしたことがあるのではないでしょうか。
近年、若者の芸術離れという言葉をよく耳にします。実際に、美術館に足を運び、舞台芸術を観覧しに行っている若者はあまり多くありません。
文化庁の『文化に対する世論調査(令和元年度調査)』 を見ると、現在の若者の芸術への関心が低下していることを、さまざまなデータから見ることができます。
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/92221801_01.pdf 引用:文化庁『文化に対する世論調査(令和元年度調査)』
しかし先ほど挙げたチームラボはどうでしょうか。2018年お台場にオープンした常設美術館「チームラボボーダレス」のほか、豊洲で「チームラボ プラネッツ」のどちらも、1年たたないうちに来場者数が100万人を突破し、一種の社会現象を巻き起こしました。チームラボが提供する芸術に魅せられた若者が多くいることが分かりますね。私自身も、SNSでしょっちゅうチームラボの作品を見ていたし、友人は実際に作品を見にいっていました。
チームラボについて
それではまず、チームラボについて簡単に知っていきましょう。チームラボとは、最新のデジタル技術を使い鑑賞者も作品の一部になるような幻想的な作品空間を生み出す、デジタルコンテンツ制作会社です。 『実験と革新』をテーマに、ものを創ることによって、もしくは、創るプロセスを通して、ものごとのソリューションを提供しています。
つぎに、 チームラボが用いる最新技術について見ていきましょう。
チームラボが用いる最新技術は以下の6つがおもに挙げられます。また、チームラボが今までに制作してきた作品も以下にリンクを貼っているので是非見てください。
3Dレンダリング、デザイン、アニメーション
メディアアート https://www.team-lab.com/maidreaminnanba/
インスタレーション https://www.team-lab.com/takashimayawatch2015/
Unity https://www.team-lab.com/sketchplayingmusic/
プロジェクションマッピング https://www.teamlab.art/jp/w/100years_saga/
映像制作 https://www.team-lab.com/mangekyo2019/
引用 : 『チームラボ/teamLab』 https://www.team-lab.com/
どの作品もダイナミックでとても綺麗ですよね。最新技術を用いなければこのような作品はなかなか作れません。
また、YouTubeにはチームラボの作品がたくさん載っています。実際に足を運べない人は、動画を見ることで少しでもこの空間を味わえるのではないでしょうか。
チームラボはアートなのか
私の両親にチームラボと最新技術の話をしたところ、「自分たちはまだチームラボの作品を、“芸術作品”として捉えづらい。」と言っていました。確かに、最新技術に親しみが無い人にとってプロジェクションマッピングなどを用いたチームラボの作品は、いわゆる“芸術”とは少しだけ捉えにくいのではないでしょうか。日本大百科事全書で“芸術”と調べると、
作品の創作と鑑賞によって精神の充実体験を追求する文化活動。文学、音楽、造形美術、演劇、舞踊、映画などの総称。 引用: 『日本大百科全書(ニッポニカ)』
https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=1001000080332
と出てきます。よって、チームラボの作品たちはしっかり“芸術”の定義を満たしていることが分かりますよね。チームラボの公式サイトには
『テクノロジーとクリエイティブの境界はすでに曖昧になりつつあり、今後この傾向はさらに加速していくでしょう。そんな情報社会において、サイエンス・テクノロジー・デザイン・アートなどの境界を曖昧にしながら、「実験と革新」をテーマにものをつくることによって、もしくは、創るプロセスを通して、ものごとのソリューションを提供します。』 引用:チームラボ https://www.team-lab.com/
という記述がありました。
私たちの生活の至るところには情報がついてまわっています。手にはスマートフォンを持ち、顔を上げれば街中の至るところにモニターが存在しています。このような電子機器を用いたアート作品も、これからの生活を彩る手段の一つになるでしょう。
アンケート
チームラボの作品を体験した人は一体どのように感じたのだろうと疑問に感じ、実際にチームラボの提供する作品を見に行ったことがある友達に、
1.チームラボの作品を見ようと思ったきっかけ
2.実際に行ってみて惹かれた点
3.実際に行ってみて記憶に残った点
4.チームラボが展開するその他の芸術作品への興味
これら四つの項目についてアンケートをとりました。 以下からがアンケート結果です。
Q1. チームラボの作品を見ようと思ったきっかけは何ですか?
A. ・ 新しいエンターテインメント施設に興味が湧いたから。
・ インスタで見て、綺麗だと思ったから。
・ とても綺麗だったので、写真を撮って思い出に残したかったか ら。
・ キラキラした演出に惹かれたから。
Q2. 実際に行ってみて、どのようなところに惹かれましたか?
A. ・ 光のグラデーション
・ 完全な非現実空間を演出しているところ。
・ プロジェクションマッピングを見るだけでなく触って楽しめた。
・ 日頃感じることのできない光の美しさ。
Q3. 実際に行ってみて、何が1番記憶に残っていますか?
A. ・ 人間の動きに合わせて光や色も変化するところ。
・ 鏡を使った演出。
・ 光が鏡に反射して創り出される幻想的な空間。
Q4. チームラボが展開するその他の芸術作品に興味はありますか?
あると答えた人はその理由も述べてください。
A. ・ これから最新のエンターテインメント施設を展開していくと期待しているから。
・ 以前訪れたところが綺麗だったから。
・ つぎにどのような世界観が創り出されるか楽しみだから。
アンケートをした結果、ほとんどの人が、日常とは完全に切り離された幻想的な空間に一番惹かれており、最新技術を使った空間演出に驚いていました。また作品がとてもインスタ映えすることから、みなさんたくさんの写真を撮って楽しんだようです。 #チームラボ で検索すると、実際に体験した人のポストをたくさん見ることができます。 #teamlab のハッシュタグを検索すれば、日本のみならず世界中の人々のポストも見られます。遠く離れた地に住んでいても、共通のアートに触れ、SNS上でつながることができることはすごく素敵なことですよね。
下の写真は、実際に訪れた私の友人に送ってもらった写真です。この空間の中は本当に日常と切り離されているため、普段あまり写真を撮らない彼女も、たくさんキメて写真を撮ったそうです。普段できない体験をできるという点でもとても素晴らしいですね。
最後に
私たち若者にとってSNSやインターネットは生活の上で一切欠かせないものとなりました。そうしたことで、何か興味を持った芸術作品を見つけたらネットで検索して画像を見ることができるように、気になる舞台があれば、YouTubeで検索して見ることができるようになりました。よって、実際に美術館や劇場などに足を運ぶ若者が著しく少なくなりました。しかしその分、いわゆる“インスタ映え”のためにSNS用の映える写真を撮りに行く人はとても増えたように感じます。チームラボは、このような現状をうまく利用した体験型アートを私たちに提供しました。チームラボの創る空間には完璧な非現実空間が存在し、日常と切り離された神秘的な体験を味わうことができます。多くの若者がこぞってチームラボの作品を見に足を運び、そこで撮った写真をSNSにあげました。また、現在インスタグラムには、 #チームラボ のハッシュタグが56.9万回、 #teamlab のハッシュタグが62.8万回も使用されています。今まで若者に敬遠されていた芸術が世間に浸透し、老若男女問わず惹きつける存在に変わってきていることが分かりました。チームラボでの写真を撮ったりSNSにあげたりする行為すべてが芸術体験なんですね。このような身近で手を出しやすい作品から、芸術を知っていくのもひとつの手だと思いました。
参考文献・引用
文化庁 『文化に対する世論調査(令和元年度調査)』 https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/pdf/92221801_01.pdf
チームラボ/teamLab『WORKES』
https://www.team-lab.com/maidreaminnanba/
https://www.team-lab.com/takashimayawatch2015/
https://www.team-lab.com/sketchplayingmusic/
https://www.teamlab.art/jp/w/100years_saga/
https://www.team-lab.com/mangekyo2019/
『日本大百科全書(ニッポニカ)』
https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=1001000080332
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