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ティッパレイパ【ひろろ】

suosikkisiメンバーが、交代でフィンランドのあれこれを書いていきます。テーマはさまざま。同じフィンランド好きでも、視点が違えば観る世界も違って、その違いが面白いものですね。

今回は「食」をテーマに、私、ひろろがティッパレイパについて綴っています。ティッパレイパ。かわいい響きですよね。口に出して言ってみたくなりますね。ティッパレイパ。フィンランドで5月1日、メーデー(Vappu)に食べるスイーツです。

ゴールデンウィーク

初めてのフィンランドひとり旅はゴールデンウィークでした。在住日本人のコーディネーターさんから「今の時期に来たなら、ティッパレイパを食べて帰ってね!」と言われました。初めて耳にする名前。私はすぐさま、当時デパートSTOCKMANNの中にあった、「ムーミンカフェ」へ行きました。

「ティッパレイパはどれですか?」

とたずねると、ショーケースで一番幅をきかせているスイーツを指さしてくれました。

「脳みそ」みたい…

それが第一印象でした。うねうねしたものが、円形にかたまり、粉糖がふりかけてあります。スイーツ、と呼びがたい容姿。見た目にあまり惹かれない。美味しいのだろうか…不安に思ってショーケースを見ていた私に、お店の人が

これは、ドーナツの生地をしぼり袋に入れて、油の中にしぼり落として揚げたものよ

と教えてくれました。レシピを聞くと、形は違えど、要するにドーナツ!なら美味しいに違いない。購入してみました。

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実食

生地が細く、揚げてあるため、ドーナツよりもカリっとしています。私には、「ベビースターラーメンの太い版」のような歯ごたえに感じられました。サクサクしていて美味しい!食感が楽しい。見た目のユニークさとはうらはらに、誰からも愛されるような、素朴な美味しさ。

気に入ったので、翌日、スーパーでも買いました。

2021年のゴールデンウィークにフィンランド旅行をすることはできませんでしたが、今年は作って楽しんでみるのもいいかもしれませんね。

フィンランドには、特定の日に食べるスイーツがいくつかあります。その時しか食べることができないものは、見かけたら躊躇することなく、思い切ってチャレンジしてみると、それがいつまでも心に残る思い出の味になりますね!

Vappu

5月1日のメーデーの日(Vappu)は、フィンランドはお休みの日です。街中の人が、この帽子をかぶっているという、不思議な光景に出会えます。高校卒業時にかぶるこの帽子を、学生も、大人も、ご年配も、みんなかぶっています。

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信号待ちの白髪のご夫婦も。

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おなじみの、3人の像も。

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そして学生は「つなぎ」を着ています。つなぎには、好きなワッペンをあちこち縫い付けて、カスタマイズ。オリジナルのつなぎを着て、街を練り歩いていました。

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オレンジや黄色、わりと派手な色のつなぎ。卒業時の帽子。そして、街のいたるところで「風船」が売られています。

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からまって取れなさそうな風船のかたまり。ここから好きなのを選んで、持ち歩きます。翌朝には、木々に風船がからまっているのが目に留まり、Vappuの名残を感じました。

Vappuの過ごし方、不思議な光景は印象的でした。今となっては、あの帽子とつなぎが羨ましくなってくる、5月1日のフィンランドでした。

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