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僕の家族とモコナと

おはようございます。そうでない方もおはようございます。
今回は【僕とeportsとパワプロと】をお休みして実家の家族のことについて書いていこうと思います。

タイトルのモコナっていうのはうちの猫のことです。
名付け親はスンスケ妹。
CLAMPが好きで当時はまっていてツバサクロニクルのモコナモドキから取ってモコナ
ちょうど毛が白黒でモコナモドキも白と黒で2種類いたからそれにあやかったらしいです。
ただ実際にモコナと呼ぶのは妹だけで僕はモコナんちん、おふくろはなんちん、ばあちゃんはモコちゃんと呼ばれていました。

察しの良い人はお気づきでしょう。
なんでいきなり猫の話なんだと
そうです。昨日、お星さまになったと実家から連絡が来たからです。

モコナについて少しつらつらと書きたくなったので書き始めました。

モコナが家に来たのは僕が高校1年の頃。
おふくろが小学校の前で捨てられていた2匹の猫を発見。
1匹を家にもう1匹を他の誰かが連れて帰ったそうです。

部活から帰ると「なんかいる」と言葉を発したのを覚えている。
兎に角小っちゃい…500mlのペットボトルよりも小っちゃかったんじゃないだろうか?
ビビッて落ち着かない「なんか」
名前を考えた
「ごんざえもん」「まんじゅう」etc…

すべて却下(チーン)

そんなこともあったが「なんか」は「モコナ」になった。

モコナは拠点を作ることに勤しんでいた印象だった。
自分の知らないニオイ、知らない場所、知らない大きな生物に囲まれる生活だ。
人間がそうなったらどうなるんだろう。と今更ながら書きながら考えてしまった。

モコナもだんだん大きくなってきて、家に慣れてくるころあることが発覚する。

野生動物における縄張りの順位

まずトップに君臨するのは拾い親でもあり、ご飯もくれ、遊んでくれるおふくろ
次に超えられない壁は小さいころ首根っこをよくつかんでいた親父
モコナの同等レベルでスンスケ
そして最後に家族間でも一番下の妹

おふくろ>>親父>>越えられない壁>スンスケ=モコナ>>>>>>妹
(哀れなり妹…)

同等レベルのスンスケにはよく勝負を吹っかけてきたモコナ
長袖で手を隠して腕全体でおなか全体をうりうりする。
モコナは前足でそれをホールドして後ろ足で爪を出しながら蹴りまくる。
モコナが逃げる
追う

第二ラウンドは玄関マットの上
全く同じことをする
飽きると終戦。仲直りの毛づくろいとなでなで
毎日こんなことをしていた



冬になれば寝ているとモコナがお腹の上に乗りぬくぬくと寝る
元々腰の強くない我々家族にとっては死活問題
モコナは容赦しない
とにかく自分にとってベストな場所を探し続けた
家の誰よりも寝やすいところを探し、冬は暖かい場所を探し、夏は涼しい場所を熟知していた。

3.11の大震災の時千葉県に住んでいた僕も少なからず、恐ろしさを体験した。
市原市のコスモ石油のタンクが爆発し、爆風が家の方まで時間差でやってきたほどだ。
そこでもモコナに驚かされた。
僕は地震があった10分前くらいに起床した(徹夜でゲームしてましたすいません)
ぼーっとベッドで二度寝しようかと思った矢先

ドン!

と言う揺れと共に

ズココココココココココココココ

というモコナの足音
多分飛び起きたのでしょう
1階にいたモコナは2階のベッドのある僕の部屋へ直行
そのままベッドの下に隠れていました

モコナすげえ!

確かに家がつぶれなければ次に危険なのは落下物だ
それを回避するには猫にとってはベッドの下が一番最適だった
いつの間にか我が家のハザードマップをつくっていたのだ
家でぬくぬくしていただけではなかった
こやつ…やりおる…!!!!




若かりし日のモコナは外への憧れがめちゃくちゃ強かった。
人間が帰宅するや否やその隙間を縫って脱走。
そのまま車の下に潜り込みゲリラ戦開始。
この時は流石のおふくろにも威嚇をしていた。

「絶対に帰らんぞ!」

と言わんばかりの勢いで威嚇をしまくる

夜に脱走した暁には黒色が主体の為どこに隠れたかわからない。
家族総出で探したこともあった。

脱走もそうだが窓越しにスズメや散歩している猫を見つけると
「ケッケッケッ…」と弱弱しく威嚇していたこともよくあった。
窓を開けてあげても外には出ない。
基本的にビビりは小さい時から変わらずずっとそのスタンスを貫いていた。



そんなモコナにとって最大級の天敵は

掃 除 機

ばあちゃんがモコナが小さいころ掃除機で吸ってしまったことがあったからだ。(掃除機の中には入ってないのでご安心を)
それ以来掃除機が鳴るたびに3.11の時ばりに全力で逃げる
姿が見えなくなるところまで逃げる
逃げて逃げて逃げまくる
当然最初に吸ってしまったばあちゃんは警戒の対象だった。
ばあちゃんはモコナとしゃべるのが大好き。
モコナは史上最強兵器を振りかざしてきたばあちゃんが苦手。
なんとも言えない微妙な関係だったことだろう。



モコナとの仲良しの証拠は足元をスリスリしてくるかして来ないかで大体わかる。
嫁スケと同棲を始めて実家に帰る回数が減っていった。
実家に帰ったら当然嫁スケが警戒されるのだが、何故か僕まで警戒をされる始末。
こいつ…俺のこと忘れたな?
1日かけてようやく思い出した様子のモコナ
最終的には足元のスリスリをして仲良しアピール
やつの「えっ…誰でしたっけ?」みたいなキョトンとした顔は忘れることは出来ないだろう。
そこからの見事な手のひら返し。
世渡り上手な猫だった。



基本的に舌が肥えた猫それがモコナ
兎に角食べる
箱入り娘のモコナは運動をしない
魚は調理されたものしか食べないし、栄養バランスの取れたカリカリ固形食なんてお嬢様には相応しくない
どんどんプックリぷにぷにになっていった
ダイエットを試みるもおふくろと妹が可愛がりすぎて飯の量が結局変わらない
最終的には歩くたびにお腹が揺れるわがままボディを見事に作り上げ、僕が下りた

お星さまになった朝もがっつりしっかりモリモリ食べていたらしい



モコナが来てから家が変わったのはよくわかった。
それまで会話の少なかった我々家族のよりどころになり、中継役を見事にこなしてくれていた。
おふくろも小さなモコナに癒され、妹は初めて自分よりも小さな生物と身近に生活をし成長した。
親父も難しい人間だったが猫がいる生活は悪くなさそうな雰囲気を出していた。
かくいう僕も大人と向き合うのに難しい時期にモコナがいてくれたおかげで両親と向き合うことが出来たのかもしれない。
モコナが我が家に運んできたものは我が家にとってとても大きな財産になった。




スンス子が生まれて実家に何回か帰った時、最初はシャーーーーっと威嚇をしていたモコナがだんだんスンス子に近寄るようになった。
スンス子もビビりながらモコナに近づこうとしていて

「こいつら似た者同士だから仲良くなれそうだな」

とほっこりした。

スンス子にとっては初めての人間以外の大きな生物との触れ合いだったし、
モコナにとっても初めて自分よりも小さな生物との触れ合いだった。
それぞれが成長をしているようなそんなシーンが見られた。

次、実家に帰った時はすっかり仲良しだな

そう思いながら次、千葉県に帰るスケジュールを組んでいた。
その矢先

唐突なメッセージがおふくろから送られてきた。

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2/17スンス子とお風呂に入り、一呼吸置こうかと思っていた時の出来事。

一瞬でスッと飲み込めたのが不思議だった。
その場にいないからなのか、それとも「死」を受け止めるだけの度量が自分にあったのかはわからない。

おふくろから電話がかかってきた。
大丈夫とは言っているものの覇気がない声。
メンタルは基本的に強いおふくろ、だが体調を崩すことは多くその時も覇気のない声になるがそれとはまた別な感覚の声。

妹は部屋で泣きまくっているらしい。
その日の午前中も一緒に遊び、人生の半分以上一緒に生きてきた愛猫がその午後に動かない「もの」になってしまった。
その日一番モコナに近かったのもあるだろう。
妹にとって人生で一番責任を感じている瞬間だろう。
モコナが最後にくれた成長のチャンスを糧にして、時間をかけてもいいから前を向いてほしい。


モコナの最期を看取った家族はいない
だがモコナはきっと幸せな気持ちで天命を全うしたに違いない。
何故ならモコナが最後にいた場所
そこは

大好きなおふくろの布団の上


いつもと同じように和室の布団の真ん中で昼寝をしているようなモコナの写真がおふくろから送られてきた。

安らかに眠っている写真は暴れた痕跡もなく、苦しまず眠りながら逝くことが出来たのだろうと伺わせるには十分すぎるほどだった。



翌日、おふくろと妹はばあちゃんの家にモコナを連れていき、畑の隅のレモンの木の横にそっとモコナのお墓を作ったと連絡があった。
ばあちゃんの家ならいくら外で遊んでも怒られないから安心だ。
いっぱい冒険をしてほしいと思う。

今度、帰った時は大好きだったマタタビの枝を買って行ってやろう。

大切な家族の為に…




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                               お終い

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