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第44回写真新世紀_佳作作品「1/456,533」

最後の写真新世紀で佳作となったわたしの作品が、写真新世紀のホームページから視聴可能です。

応募作品は動画ですが、作品自体は写真作品であると考えています。

-ステイトメント-

毎日更新される、星座占いのラッキーワードを撮影している。
運という眼に見えない世界を、写真というメディアによって可視化したい。
作品制作の過程において必要に迫られた選択を、偶然性にゆだねている。
そして運による影響がより純粋な姿として現れるよう、自らの主観を透明に近づける。
コンピュータにより抽選された写真たちは、ランダムに選出されて表示を繰り返し続ける。
そのイメージは、運そのものが創造する世界なのである。


テーマは「運」です。
写真は偶然性を含んでいるメディアであり、相性の良いテーマであったかと思います。

そもそも「運」って、すごく納得がいかない。
圧倒的に理不尽なものだし、自分自身がコントロールできないとても恐ろしい存在だと思っています。

運について日頃からそんなイメージを抱いているとき、ふと星座占いを目にしました。
ヤフーのサイトで星座占いがあって毎日更新されています。
7月2日生まれの「かに座」をクリックすると、このように表示されます。

このキーワードをもとに写真を撮影しています。
その日に撮る被写体は、自分で選ぶことはできません。
あくまで運によって支配されています。

できあがるイメージは運によって生成されています。
より偶然性を高めるために、撮った写真を三枚配置しました。
写真の選定はコンピューターのランダムで決めており、ルーレットのような仕組みです。
スロットマシーンの仕組みを想像してもらえればわかりやすいかと。
こうして偶然が積み重なり、新たなビジュアルイメージが次々と生まれていきます。

いま振り返って思うと、運という得体の知れないものにビジュアルを与えることで、その恐怖を克服しようと、していたように思います。

わたしに纏わりついている運が、写真を通じて視覚情報という形として抽出できたように思います。



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